疲れ目眼精疲労のサプリメント成分について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【疲れ目眼精疲労のサプリメント成分】

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機能性表示食品としても人気のあるのが「アイケア」サプリメントです。目の疲れに対応したサプリメントの売り上げは右肩あがりで、それだけ多くの人がめの疲れを気にしたり疲れ目や眼精疲労を感じているようです。ここではいくつかのおすすめ機能性成分をご紹介します。

パソコンやスマートフォンを使う機会が多い現代では、目の疲れを感じる人が増えてきています。症状がひどくなると、目だけでなく全身が疲れる眼精疲労になることも。目の機能には自律神経が関わっているため、眼精疲労になると自律神経のバランスが崩れ、休息や睡眠をとっても回復しなくなります。

眼精疲労を改善するためには、原因を踏まえた対策が必要です。加えて目の機能を手助けする成分を摂ることで、症状をやわらげる効果が期待できます。


■眼精疲労(疲れ目)にサプリメントが良い理由

疲れ目用のサプリメントには、目の機能を正常に戻すのに役立つビタミンや抗酸化作用を持つアントシアニンなど、多くの有効成分が含まれています。必要量を食事から摂取することは困難なため、有効成分を必要な量だけ摂れるサプリメントが活用されているのです。

また、目が疲れる原因の一つに、血行不良があります。紫外線で目が酸化すると新陳代謝が悪くなり、血流も滞るように。そのため目が疲れやすくなり、眼精疲労を引き起こします。眼精疲労のサプリメントには抗酸化作用が高いアスタキサンチンやビタミンA(βカロテン)なども含まれているため、目の機能を保ってくれるでしょう。


■眼精疲労に効くサプリメント成分まとめ

眼精疲労を治すためには目を使いすぎないことが重要ですが、目の機能を回復させたり、体の調子を整えたりするのも大切です。だからこそ、毎日の食事やサプリメントで、内側から改善するためのサポートをしましょう。以下で眼精疲労や疲れ目に良いといわれているサプリメントの成分をまとめたので、参考にしてみてください。

ブルーベリー

視神経の伝達物質ロドプシンの再合成を助ける

ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれていて、目から脳に映像を送るために必要なロドプシンの再合成を手助けしてくれます。ロドプシンは光に当たると分解されるので、目が健全に機能するためにはつくり続けなければいけません。不足すると視力の低下や目の乾きなどを引き起こし、目の病気にかかるリスクが高まります。目の病気がひどくなると目を使うことで疲れがたまり、結果として眼精疲労が起こるケースも。そのため、ブルーベリーを摂ることで視力低下や目の病気からくる眼精疲労を予防できると考えられているのです。

また、最近の研究では、ビルベリー(ブルーベリーの野生種)に含まれるアントシアニンが目を動かす外眼筋にはたらきかけ、目の疲れや眼精疲労に良い効果をもたらす可能性があると報告されています。[※1]また、山田養蜂場が行ったブルーベリーサプリメントの臨床試験で、ブルーベリーサプリメントを摂取したグループはプラセボ(偽薬)を摂取したグループより、明らかに眼精疲労の症状が軽くなったことがわかりました。[※2]これらの研究結果から、ブルーベリーには眼精疲労をやわらげる効果が期待されています。

アスタキサンチン

強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一つ

アスタキサンチンはエビやカニ、サケなどの赤い色素で、自然界に多く分布しているカロテノイドの一つです。抗酸化作用が強く、ビタミンCの6000倍の抗酸化力を持つといわれています。摂取すると強い抗酸化作用で新陳代謝を活性化させ、血行改善を促進。そのため目の疲労が軽くなり、目のピント調節がしやすくなります。紫外線やブルーライトによる目の酸化を抑えるため、パソコンをよく使う方や年齢が上がって目の機能が低くなってきた方は摂取しておくと良いでしょう。

眼精疲労にアスタキサンチンがもたらす効果は多くの研究で実証されていて、富山医科薬科大学眼科の試験では、1ヵ月間アスタキサンチン5mgを摂取したところ、目のピント調節力が改善したとのことです。[※3]また、目が疲れている人は毛様体筋が縮みっぱなしで震えやすくなることから、アスタキサンチンの摂取が目の疲れを改善しているという研究結果も。臨床試験では、1日6mgのアスタキサンチンを2週間摂取したグループと全く摂取していないグループに、それぞれ30分間ゲーム機を操作してもらい、毛様体筋の動きを観察。すると、アスタキサンチンを摂ったグループでは、毛様体筋の震えが少なくなったことが明らかになりました。[※4]

ルテイン

加齢による目のトラブルに効果が期待できる

ほうれん草や卵黄などに入っている黄色の色素、ルテイン。皮膚や目の水晶体、網膜などに多く存在している成分です。網膜の中心部で視覚のコントラストを調節する「黄斑」と呼ばれる部位を構成していて、ブルーライトからの目の保護や目の老化予防などに役立ちます。ブルーライトや紫外線による目のダメージを軽減し、目の病気や老化を促進させる余分な活性酸素を除去。目の機能を健康なまま維持してくれます。ただし食事だけで十分な量を摂るのは難しいため、サプリメントで必要量を補いましょう。

ルテインの効果に関するエビデンスとして、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が行った大規模臨床試験があります。この試験では5年間、4200人の加齢性黄斑変性症患者にさまざまな抗酸化サプリメントを与えたところ、「ルテイン10mgとゼアキサンチン2mgの組み合わせ」のサプリメントを摂取した対象者は、加齢性黄斑変性症の進行リスクが10%下がったことも報告されています。[※5]

40代以降になると目のトラブルが増え、眼精疲労が強くなる傾向があります。ルテインを積極的に摂ることで、眼精疲労の原因となる目のトラブルの予防が期待できます。

アントシアニン

紫色の果実や野菜に含まれる色素

フラボノイド系ポリフェノールのアントシアニンは、ブルーベリーの紫色色素のこと。高い抗酸化力を持つことが知られています。脳に見た映像を送る役割を持つロドプシンの再合成にも関わっていて、目の機能を保つために欠かせない成分です。他にもアントシアニンの疲れ目予防・眼精疲労改善の効果は、さまざまな研究で報告されています。目の焦点を合わせやすくするため、かすみやぼやけなどの症状による目の酷使を抑え、疲労をやわらげるといわれています。そのため、疲れ目の改善に有効です。[※1]

また、網膜の保護作用もアントシアニンの特徴。強い光が網膜に当たると活性酸素が発生し、周りの細胞を傷つけます。紫外線だけでなく、パソコンやスマートフォンのブルーライトも同様です。そのため、網膜にダメージを与える活性酸素をアントシアニンの抗酸化作用で取り除くことにより、目を保護して眼精疲労を防いでくれます。摂取量の上限はありませんが、血液をサラサラにする効果があるため、出血性疾患を患っている人や抗血液凝固薬を使っている人は、医師に確認したうえで摂取してください。

ナットウキナーゼ

血栓を溶かし血行改善が期待できる納豆由来の酵素

納豆に含まれる酵素、ナットウキナーゼには強い血栓溶解作用があり、血流を改善するのに効果的です。長時間のパソコンやテレビなどで目を酷使すると血流が悪くなります。眼球や網膜など目には多くの血管が通っているため、血流が悪くなると視力の低下や目のかすみといった症状が現れるように。最悪の場合、網膜にある血管に血栓がつくられて血が流れなくなり、眼底から出血を起こして失明します。

失明のリスクを減らすために役立つのが、ナットウキナーゼです。摂取することで血栓を溶かし、血行不良を改善。血流が改善されると目をはじめとする眼精疲労の症状が軽減される可能性もあります。薬物療法が受けられない人でも納豆を食べることで、血行促進および視力の維持といった効果を得られた事例も報告されました。[※6]さらに、ナットウキナーゼは体の細胞にダメージを与える余分な活性酸素を取り除くはたらきがわかっています。そのため光による網膜のダメージをカットして、目の老化や機能低下を防いでくれるのです。納豆を毎日食べることにより、活性酸素によって水晶体が濁る白内障や、黒点が見える飛蚊症などが改善したという声も挙がっています。

ビタミンA

皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない

ビタミンAは発育や正常な皮膚の維持に必要な成分です。粘膜を健康に保つはたらきがあり、目の粘膜を保護して網膜の機能を維持してくれます。視覚にも関わっており、ビタミンAが不足すると、暗いところでものが見えなくなる夜盲症やドライアイ、視力低下をまねくことに。ビタミンAの欠乏によってものが見えにくくなり、目の疲れや眼精疲労を引き起こすケースが報告されています。

また、涙の量を調節することで、角膜や結膜といった体外と接している部位を守る作用も特徴です。ドライアイになると角膜や結膜といった目の器官を守る涙の量が減るので、角膜の表面が傷ついて目の病気や失明の原因になります。眼精疲労は目の病気から起こる場合もあるので、ビタミンAを摂取することが眼精疲労の予防につながるといえるでしょう。そのため、うなぎやレバーなどビタミンAを豊富に含む食材を食べ、ビタミンAを補わなくてはいけません。体内でビタミンAとしてはたらくレチノールやβカロテンなどは多くの食品に入っています。しかし忙しくて食事に気を遣えない、不摂生な生活をしているという場合は、必要量を満たせないことがあるため、サプリメントを活用しましょう。

αリポ酸

代謝をサポートして疲労回復の一翼を担う

αリポ酸はストレスや疲労が取れにくくなる「副腎疲労」の状態を回復するのに役立つといわれています。副腎疲労とは、ホルモン分泌を行う副腎がはたらきすぎて、ストレスや疲労に耐えるためのコルチゾールを分泌できなくなった状態。副腎疲労が続くとストレスがたまり、血行不良や高血圧など、体のあらゆる部分に悪影響を及ぼします。集中力の低下やだるさといった軽度なものから、動けなくなって倒れるという重度症状も。不調が続くと眼精疲労も起こりやすくなるため、早めの対策が必要です。

αリポ酸は細胞内にある物質で、代謝をサポートする役割を持った成分。エネルギーをつくりだすTCAサイクル(エネルギー産生サイクル)をまわし、足りなくなったエネルギーを補うことで疲労を回復。副腎が再びホルモンをつくれる環境に整えてくれます。眼精疲労には自律神経の乱れも影響するため、原因となる副腎疲労の状態から回復することで改善できるでしょう。ただし、エネルギー産生サイクルをうまくまわすには、コエンザイムQ10も合わせて摂る必要があるので注意してください。

ゼアキサンチン

活性酸素を除去して目のトラブルを予防する

ゼアキサンチンはトウモロコシやほうれん草に含まれる天然色素の1つで、目の網膜付近に多く存在。近年の研究では目の健康に良い効果があることがわかりました。加齢によって起こる黄斑変性(網膜周りの細胞がダメージを受け、目の焦点が合わなくなる病気)や目の真ん中部分が白く濁る白内障の予防に役立つとされています。

紫外線や電子機器のブルーライトを見ると、網膜や水晶体で活性酸素が発生。細胞がダメージを受けてだんだん老化していきます。しかしゼアキサンチンやルテインが抗酸化作用によって活性酸素を取り除くため、ダメージが軽減。網膜が異常に老化することがないので、黄斑変性が起こりにくくなります。また、水晶体でも活性酸素を取り除き、白内障を予防できることが明らかになっています。黄斑変性や白内障などの病気はものが見えにくくなる、ピントが合わなくなるといった症状が出るため、目が疲れやすくなり眼精疲労が進行するケースも。目だけでなく体全体の不調をまねくおそれがあり、失明の危険性も上がります。さまざまな病気を予防するためにも、ゼアキサンチンの摂取は欠かせません。体内では合成されないので、必要量を食品やサプリメントで補う必要があります。

【参考文献】

  1. ※1わかさ生活「【研究発表】ビルベリーの眼精疲労に対するはたらき方のしくみの一部が明らかになりました。」

  2. ※2山田養蜂場「山田養蜂場の『ブルーベリー&ルテイン+プロポリス』-眼精疲労改善効果を臨床試験で実証-」【PDF】

  3. ※3富士フイルム「眼精疲労の回復に効果的なアスタキサンチン|富士フイルム ヘルスケア未来研究所」

  4. ※4日経グッデイ「疲れ目、眼精疲労に 赤い食材『アスタキサンチン』」

  5. ※5ユタ大学「AREDS2とその研究結果がルテインとゼアキサンチンにもたらす影響」【PDF】

  6. ※6全国納豆協同組合連合会 納豆PRセンター「目の疲れと納豆の関係」

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【疲れ目と眼精疲労をもっと知る】

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