ニキビの改善に漢方が良い理由について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【ニキビの改善に漢方が良い理由】

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ニキビを治療する方法として、最近では漢方薬を使用する皮膚科クリニックも増えてきましたが、ニキビ肌にどのように効果を発揮するのでしょうか?またドラッグストアでも気軽に購入でき、ますます身近な存在ですが、その名の通り「薬」ですので、服用の際には注意すべきこともあるでしょう。ここでは漢方薬がもたらす効果や副作用について詳しく紹介します。

漢方ってニキビにどう効くの

漢方医学では、ニキビは体の不調によってあらわれると言われています。西洋医学におけるニキビに薬を塗る「対処療法」に対し、漢方医学では、体全体のバランスを整えることでニキビを治療します。西洋医学のような科学的データは少ないものの、古くから使用されてきた実績が漢方にはあります。

さらに、最近では皮膚科医がニキビ治療に漢方薬を処方することも珍しくありません。主な漢方薬としては、腫れたニキビの炎症を抑える「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」。皮膚に潤いを与えて代謝を促す「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」。皮膚の炎症を抑える「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」などがあります。

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

清上防風湯は、赤ら顔やのぼせ、皮膚炎の改善に使用される、12種類の生薬を配合した漢方薬のことを言います。漢方では、顔や頭にできる赤い湿疹や皮膚炎は、熱が集まっている状態と考えられており、熱を散らして炎症や化膿を抑える「清」と呼ばれる働きをする生薬と、かゆみや炎症を抑える「防風」と呼ばれる働きをする生薬を中心に配合されているので、ニキビの治療と予防の両方に効果があります。また清上防風湯は、ドラッグストアでも購入が可能ですので、手軽に生活に取り入れることができます。

■効果効能
顔や頭にできた、湿疹をはじめとする皮膚の炎症を抑えます。解毒作用があり、化膿を改善する効能があるため、赤く腫れたニキビに効果的とされています。また、かゆみや炎症の広がりを抑制する効果も持っています。完治した後も服用を続けることで、ニキビのできにくい体質を目指せます。

■清上防風湯は「解毒証体質」の人におすすめ
漢方では病人を臓毒証(ぞうどくしょう)、血証(おけつしょう)、解毒証(げどくしょう)の3つに分類します。このうち、ニキビができやすい人が当てはまるのは解毒証。

解毒証の体質の特徴として、「ニキビができやすい、皮膚が浅黒く血色が良くない、やせ型で筋肉質、皮膚が乾燥している」などがあります。清上防風湯は炎症を抑える、解毒する、血行を良くし肌に潤いを与えるといった効能があるため、解毒証体質の人におすすめの漢方薬です。

■清上防風湯を飲みやすくする方法
お湯に溶かして飲む方が効果は高いのですが、飲みづらい場合は、下記の方法を試してみるのも良いでしょう。ただし、溶かすものや混ぜるものによっては効果が落ちてしまうことが考えられるので、医師や薬剤師に飲み合わせに問題がないか、必ずご相談ください。

・甘みを足す
味が苦手で飲みづらいという場合は、砂糖やココアなどで少し甘みを足してあげることで飲みやすくなります。

・ゼリーに混ぜる
独特のにおいが苦手という人も、ゼリーの香りや甘みでごまかすことで多少飲みやすくなるでしょう。服薬用のゼリーもあります。

■清上防風湯の副作用
また清上防風湯には、以下のような副作用があらわれることがあります。[※1]

・発赤
毛細血管が拡張することで、一時的に皮膚や粘膜の表面が赤く見える症状です。痛みやかゆみは感じません。

・発疹、蕁麻疹、そう痒(そうよう)
かゆみを伴うブツブツ(湿疹、蕁麻疹)や、発疹がないのにかゆみを感じる「そう痒(そうよう)」という症状が出る場合があります。漢方薬に対してのアレルギーや肝機能の低下、漢方薬による排毒効果によるものなど、発疹やそう痒の原因はさまざまです。

・偽アルドステロン症
漢方の原料である甘草に含まれるグリチルリチンの過剰摂取により、高血圧・むくみ・低カリウム血症などを引き起こしてしまうおそれがあります。手足のだるさやしびれ、つっぱり感などがあらわれ、力が抜けたり筋肉痛が出てきたりします。症状が出たときは医療機関を受診しましょう。[※2]

・ミオパチー
グリチルリチンの過剰摂取により起きる低カリウム血症の影響で、筋肉の萎縮や筋力の低下といった症状が出ます。

・肝機能障害、黄疸
肝臓は薬を分解する役割があるため、漢方薬の摂取により肝機能に障害が出る可能性があります。肝機能が低下することにより黄疸が出ることもあるでしょう。

・胃の不調
胃のムカつきや食欲不振といった胃の不調を訴える人もいます。

・腸間膜静脈硬化症(ちょうかんまくじょうみゃくこうかしょう)
長い期服用していて、腹痛や下痢、便秘やお腹が張るなどの症状を繰り返す場合、腸間膜静脈硬化症の可能性があります。[※3]また、飲み方や量によって副作用があらわれてしまうこともあるのでご注意ください。高齢者や妊娠中のほうは、必ず医師に確認をとってから服用するようにしましょう。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

荊芥連翹湯は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質を改善する目的で使用される漢方薬です。メインとなる生薬が荊芥(けいがい)と連翹(れんぎょう)であることから荊芥連翹湯と名づけられました。

荊芥連翹湯には、2つの漢方薬処方が含まれます。1つは炎症を抑える黄連解毒湯(おうれんげどくとう)。もう1つは血行を促進して体に栄養をめぐらせる四物湯(しもつとう)です。荊芥連翹湯は、この2つの漢方処方に荊芥(けいがい)や連翹(れんぎょう)をはじめとする生薬(9種類)を加えて解毒作用を高めたもの。血行不良によるターンオーバーの乱れや細菌による炎症が原因でできるニキビに有効だと言われています。

■荊芥連翹湯の効果効能
主薬の荊芥は炎症に、連翹は化膿性の皮膚疾患に対する薬効を持っているため、炎症を伴うニキビに効果的です。また、荊芥連翹湯には、皮膚に潤いと栄養を与える四物湯が含まれているため、ニキビ痕や皮膚のカサつきも改善してくれるでしょう。そのほか、アレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎を改善する目的で処方されることもあります。

またドラッグストアでも購入が可能です。病院に行く時間がなかなか取れないという人は、市販薬を試してみるのも良いでしょう。しかし、飲み合わせによっては副作用などもあるので、ドラッグストアに在籍している薬剤師や、登録販売者から説明を受けるようにしましょう。

■荊芥連翹湯は「解毒証体質」の人におすすめ
解毒証体質とは、解毒作用を持つ肝臓のはたらきが弱い体質のことです。体に毒素が溜まりやすいため肌が浅黒く、細菌やウイルス、アレルゲンなどの刺激に反応して炎症や感染症を起こしやすい傾向があります。解毒証体質に該当するのは、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎や花粉症など)や炎症疾患(扁桃炎、鼻炎、ちくのう症、湿疹、ニキビなど)を抱える人です。心当たりのある人は、解毒作用を高める荊芥連翹湯を利用してみてはいかがでしょうか。

■荊芥連翹湯を飲みやすくする方法
荊芥連翹湯は、漢方独特のニオイや味があります。飲むのが大変なときは、オブラートや薬を飲むためのゼリーなどに入れて飲むか、またはカプセルに入れて服用してください。その他、みそ汁やスープなどの汁物に入れて飲むこともできます。味付けや具を工夫することで、独特の風味を和らげて飲み続けられるでしょう。

■荊芥連翹湯の副作用は?
摂取量や飲み合わせ、体質などによって副作用があらわれることがあるため、注意が必要です。次の症状があらわれたらすぐに使用を中止して、医師や薬剤師に相談しましょう。

・消化器系の副作用
荊芥連翹湯の摂取で消化器系の臓器に負担がかかると、胃もたれや吐き気、食欲不振や下痢などの症状があらわれます。

・過敏症
荊芥連翹湯に含まれる生薬が体に合わない場合、かゆみや発疹などの過敏症が起こることがあります。

・偽アルドステロン症
荊芥連翹湯にはカリウムの排泄を促す甘草(カンゾウ)という生薬が含まれています。カリウム不足になるとむくみやしびれ、だるさなどの症状があらわれます。また、カリウム不足が続くと偽アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症性ミオパチーなどの総称)になる可能性もあります。[※2]

・肝機能障害
肝臓の機能が落ちるとビリルビンという色素を代謝できなくなり、黄疸(皮膚が黄色くなる症状)が出ます。荊芥連翹湯は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質を改善する目的で使用される漢方薬です。メインとなる生薬が荊芥(けいがい)と連翹(れんぎょう)であることから荊芥連翹湯と名づけられました。

荊芥連翹湯には、2つの漢方薬処方が含まれます。1つは炎症を抑える黄連解毒湯(おうれんげどくとう)。もう1つは血行を促進して体に栄養をめぐらせる四物湯(しもつとう)です。荊芥連翹湯は、この2つの漢方処方に荊芥(けいがい)や連翹(れんぎょう)をはじめとする生薬(9種類)を加えて解毒作用を高めたもの。血行不良によるターンオーバーの乱れや細菌による炎症が原因でできるニキビに有効だといわれています。

■荊芥連翹湯の効果効能
主薬の荊芥は炎症に、連翹は化膿性の皮膚疾患に対する薬効を持っているため、炎症を伴うニキビに効果的です。また、荊芥連翹湯には、皮膚に潤いと栄養を与える四物湯が含まれているため、ニキビ痕や皮膚のカサつきも改善してくれるでしょう。

そのほか、アレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎を改善する目的で処方されることもあります。またドラッグストアでも購入が可能です。病院に行く時間がなかなか取れないという人は、市販薬を試してみるのもよいでしょう。

飲み合わせや副作用などがあるので、ドラッグストアに在籍している薬剤師や登録販売者から説明を受けるようにしましょう。

■荊芥連翹湯は「解毒証体質」の人におすすめ
解毒証体質とは、解毒作用を持つ肝臓のはたらきが弱い体質のことです。体に毒素が溜まりやすいため肌が浅黒く、細菌やウイルス、アレルゲンなどの刺激に反応して炎症や感染症を起こしやすい傾向があります。解毒証体質に該当するのは、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎や花粉症など)や炎症疾患(扁桃炎、鼻炎、ちくのう症、湿疹、ニキビなど)を抱える人です。心当たりのある人は、解毒作用を高める荊芥連翹湯を利用してみてはいかがでしょうか。

■荊芥連翹湯を飲みやすくする方法
荊芥連翹湯は漢方独特のニオイや味があります。飲むのが大変なときは、オブラートや薬を飲むためのゼリーなどに入れて飲むと良いでしょう。または、カプセルに入れて服用してください。その他、みそ汁やスープなどの汁物に入れて飲むこともできます。味付けや具を工夫することで、独特の風味を和らげて飲み続けられるでしょう。

■荊芥連翹湯の副作用
摂取量や飲み合わせ、体質などによって副作用があらわれることがあるため、注意が必要です。次の症状があらわれたらすぐに使用を中止して、医師や薬剤師に相談しましょう。

■消化器系の副作用
荊芥連翹湯の摂取で消化器系の臓器に負担がかかると、胃もたれや吐き気、食欲不振や下痢などの症状があらわれます。

・過敏症
荊芥連翹湯に含まれる生薬が体に合わない場合、かゆみや発疹などの過敏症が起こることがあります。
・偽アルドステロン症

荊芥連翹湯にはカリウムの排泄を促す甘草(カンゾウ)という生薬が含まれています。カリウム不足になるとむくみやしびれ、だるさなどの症状があらわれます。また、カリウム不足が続くと偽アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症性ミオパチーなどの総称)になる可能性もあります。[※2]

肝機能障害
肝臓の機能が落ちるとビリルビンという色素を代謝できなくなり、黄疸(皮膚が黄色くなる症状)が出ます。また、咳や息切れといった症状も、肝機能低下に伴うケースがあります。稀な症状とされているので、見逃さないように注意しましょう。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯は、万病回春(まんびょうかいしゅん)という中国の古い書物に記載されている荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)をもとに、江戸の外科医である華岡青洲が日本人向けにつくった漢方薬です。

10種類の薬草から構成され、毒を敗する(なくす)ことができることから、この名がつけられました。発赤し腫れて化膿した皮膚疾患をはじめかゆみや熱、化膿するおそれのある症状に使われています。

十味敗毒湯は、ニキビの治療のために皮膚科で処方してもらえます。ドラッグストアで購入することも可能ですが、保険適用される処方のほうが安価になります。ニキビ改善のために長期間使用するなら、クリニックで処方してもらうほうがいいかもしれません。

■効果効能
体の表部にある血管を拡張し、血行を改善。小さいブツブツがたくさん広がるニキビに適しています。発汗と熱の発散を促進し、皮膚をきれいにしてかゆみを除く、防風(ぼうふう)、荊芥(けいがい)、独活(どっかつ)、川芎(せんきゅう)と、皮膚の炎症や毒素などを解毒作用で改善する柴胡(さいこ)、桜皮(おうひ)、桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)があり、この2つのグループが大きく力を発揮します。ほかに、炎症による分泌物を排出し、腫れを軽減する茯苓(ぶくりょう)と生姜(しょうきょう)で構成されています。

■十味敗毒湯は「臓毒証体質」の人におすすめ
臓毒証(ぞうどくしょう)体質は、風毒・食毒・血毒・水毒が蓄積されて、病気になりやすい体質のこと。化膿したニキビは水毒によって生じるとされているため、十味敗毒湯は臓毒証体質の人におすすめです。本来は丈夫な体を持っているハズなのに、生活習慣が乱れてしまうことで、ニキビやアレルギーが出てしまいます。漢方薬とあわせて、生活習慣の見直しも必要になるでしょう。

■十味敗毒湯を飲みやすくする方法
渋い苦味と独特な風味のある漢方は、人によっては味のせいでじっくり続けられないこともあります。そのため、オブラートや薬を包んで飲みやすくしてくれるゼリーなどを活用するといいでしょう。また、空のカプセルを購入して顆粒タイプの漢方を詰め替えて利用するのも1つの手です。

■十味敗毒湯の副作用
十味敗毒湯の副作用には、以下のようなものが確認されています。

・過敏症
湿疹や蕁麻疹のほか、外見上の症状を伴わずにかゆみが発生するそう痒(そうよう)という症状が出ることがあります。排毒効果による場合もありますが、肝機能の低下や含まれる生薬に対してのアレルギーなど原因は多岐にわたります。

・消化器の不調
食欲不振や胃のムカつき、下痢や嘔吐を訴える人もいます。

・偽アルドステロン症
生薬に含まれるグリチルリチンの過剰摂取により、低カリウム血症や血圧の上昇、体がむくむ、体重が増えるといった症状があらわれる場合があります。[※2]

・ミオパチー
低カリウム血症の影響により、筋肉の萎縮や筋力の低下といった症状が出ます。副作用には軽度のものから、医師による治療が必要なものまであります。漢方薬は副作用が少ないといわれていますが、もしも服用時に体の異変を感じた場合は、速やかに医師に相談しましょう。また、妊婦や高齢者は服用前に医師に確認をとる必要があります。

ドラッグストアでも気軽に購入できるけどちょっとご注意を!

漢方薬は、名前に「薬」とついています。一般的な薬品のように、副作用の心配があるのを忘れないようにしましょう。商品や処方薬の用量用法は守って使用してください。飲めばすぐ効くというより、ゆっくりと体質を改善してくれるものなので、1カ月~6ヵ月ほど続ける必要があります。妊婦や小児への使用は避けるようにしてください。長い歴史を持っている漢方薬だから大丈夫と自己判断で使用してしまうと、思わぬトラブルをまねく場合があります。服用の際は、薬剤師にご相談下さい。[※4]



<参考文献>

※1 医薬品医療機器総合機構 「ツムラ清上防風湯エキス顆粒(医療用)」

※2 医薬品医療機器総合機構 「偽アルドステロン症」

※3 日本漢方生薬製剤協会 「漢方薬による腸間膜静脈硬化症」

※4 すこやかコンパス 「からだを旅する薬のこと Vol.3」

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【ニキビをもっと知る】

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