慢性疲労症候群の予防と治療について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

慢性疲労症候群とは目に見える不調が少なく、なんとなく「休めば治る」と思ってしまいがちで治療や相談が遅れがちですが、紹介するチェック項目で該当するものが多い場合は、医師に相談すべきです。慢性疲労症候群でなくても何か重大な疾病が隠れている場合もあります。自律神経失調症にも似ていますが、慢性疲労症候群と診断されるには実は条件があるためそのあたりの違いも頭に入れておきましょう。

慢性疲労症候群の治療法はあるの？

慢性疲労症候群の治療法はまだしっかりと確立されておらず、特効薬と呼べるような治療法はないのが現状です。しかし徐々に慢性疲労症候群のメカニズムが解明されつつあり、治療をすることが可能になってきています。
現在治療法として主流なのは薬物療法です。薬物療法では、免疫力を高めるという補中益気湯（ほちゅうえっきとう）という漢方薬や、抗酸化作用をもつビタミンC、疲労回復に有効なビタミンB12などを組み合わせて投与します。また、慢性疲労症候群は神経系の異常が原因とも考えられているので、SSRIという抗うつ剤を使用することもあります。
薬物治療でも効果がみられない場合は、カウンセリングやセラピーなどでストレスに対処する精神療法も行われます。

慢性疲労症候群にならないためには？

慢性疲労症候群の原因がストレスにあるというのは、これまでの研究で徐々に明らかになってきました。そのため、予防において大事なのはストレスを溜め込まないこと。ストレスを溜め込んで疲労をこじらせないようにすることです。疲労が重症化しないために大切なのは適切な「栄養」と「休息」です。

疲労回復に効果的なサプリメント成分は？

慢性疲労症候群の原因がストレスにあるというのは、これまでの研究で徐々に明らかになってきました。そのため、予防において大事なのはストレスを溜め込まないこと。ストレスを溜め込んで疲労をこじらせないようにすることです。疲労が重症化しないために大切なのは適切な「栄養」と「休息」です。肉体的な疲労回復成分として役立つのがアミノ酸とクエン酸です。アミノ酸は運動前に摂取すると、筋疲労の軽減・脳疲労を抑制する作用、運動後に摂取すると疲労の軽減する作用があり、就寝前に摂取すると成長ホルモンの分泌を活発にしてくれます。クエン酸は疲労成分である乳酸の生成を抑制し、疲れにくい体づくりをサポートしてくれます。
精神的な疲労には、イライラの抑制やリラックス効果をもたらすギャバやエゾウコギ、カルシウムといった成分がおすすめです。
疲労回復や免疫力を高めるビタミンB群やビタミンCなどを食事からたっぷりと摂り、さらに足りない分をサプリメントで補うようにするとよいでしょう。

良質の睡眠を十分にとろう

睡眠をとって身体を休めることは最も効果的な疲労回復方法です。慢性的な睡眠不足や就寝時間や起床時間が一定でない生活では睡眠の質が低下し、免疫機能も弱まってしまいがちです。自分の体に合った清潔な寝具を使い、寝室の温度や湿度、明るさなどにも注意すると、良質の睡眠がとりやすくなります。
また、日中に20～30分程度の昼寝をすることも、脳疲労改善に効果的と言われています。

日常生活で免疫力を高める工夫

自己免疫のひとつにNK（ナチュラルキラー）細胞があります。NK細胞を活性化させストレスに強くなることで、慢性疲労症候群の予防につながります。
NK細胞は、良質な食事や睡眠のほかに、「笑うこと」や「適度な運動」でも活性化されることがわかっています。
人は笑うとエンドルフィンという物質が脳内で分泌され、鎮痛作用や脳を活性化しリラックスさせてくれます。またストレスが続くと緊張から交感神経が優位になってしまいますが、笑うことで副交感神経優位へと切り替わり、緊張がほぐれリラックスした状態になります。笑いによりNK細胞を活性化させるためには、クスッと笑う程度ではなく、思いっきり大笑いすることがいいそうです。家族や友人と話したり、好きなお笑い番組を観たりして、1日一回は大笑いして過ごすことを心掛けてみましょう。
また、筋肉は同じ姿勢をしている時間が長かったリ、動かさないでいると硬くこわばってしまい、血液循環も悪くなり疲労が溜まりやすくなります。疲労を翌日に持ち越さないためにも、デスクワークの休憩中に少し歩いてみたり体を伸ばしてみる、就寝前に体を心地よくほぐす程度のストレッチをするなど、適度な運動やストレッチを日課にしてみましょう。