子宮体がんの治療方法と後遺症について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【子宮体がんの治療方法と後遺症】

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子宮体がんはステージに応じて治療方法が当然異なります。初期であれば完治の可能性が高まりますが、初期であっても転移の割合が高いのも特徴で子宮や卵巣を摘出することが標準です。また手術後に後遺症が起こるケースも報告されており、更年期症状に似たような症状、排尿・排便の障害、リンパ浮腫で特に下半身に強い浮腫や冷えを感じることがあるようです。

子宮体がんの治療方法は?

子宮体がんの治療には手術療法、放射線療法、化学療法、ホルモン療法の4つがありますが、中心になっているのは手術療法です。子宮体がんは早期であっても卵巣転移の割合が高く、子宮、卵巣、卵管を摘出することが標準的な治療とされています。ただしごく初期の場合に限り、今度の妊娠を望む女性に対しては子宮の摘出を行わず、黄体ホルモン療法で経過を観察することがあります。
子宮がんのステージはI期から IV期まであります。がんの進行度に応じて、骨盤リンパ節・傍大動脈リンパ節の一部をとったり、全てを取り除いたりします。IV期の手術では、がんの存在する膀胱や直腸などの臓器まで摘出することになり、体にも大きな負担がかかります。そのため IV期の手術は例外的で、化学療法、放射線療法、黄体ホルモン療法が選択されることが多いです。

~子宮体がんのステージ~
I期 がんは子宮体部にのみ(子宮頸部、その他にがんは認められない)
II期 がんが子宮体部を越えて子宮頸部に広がったもの(がんは子宮内のみ)
III期 がんが子宮外に広がっているが、骨盤を越えて外には広がっていないもの、または骨盤内あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移がある
IV期 がんが骨盤を越えて別の部位へ広がるか、膀胱あるいは腸の粘膜を侵すもの、または遠隔転移のあるもの

手術の後遺症は?

・更年期障害に似た症状
閉経前に卵巣を摘出した場合、月経が無くなり閉経します。すると卵巣で作られるエストロゲン(卵胞ホルモン)の量が一気に減ってしまい、更年期障害のような症状が現れやすくなります。
具体的な症状は鬱、全身のほてり、だるさ、食欲不振、多汗、頭痛、耳鳴り、肩こり、不眠、下痢、便秘、腰痛などです。症状の強さは人によって異なりますが、若い人ほど症状が強くなる傾向があるようです。

・排尿障害
子宮を含む広範囲にわたって臓器を切除する手術を行った場合、膀胱の排泄を調節する神経が傷ついたり、うまく働かなくなったりすることがあります。そのため尿が出にくくなる、尿がたまっても尿意を感じない、尿が漏れるなどの症状が出ることがあります。 手術後は神経の回復を待ちながら徐々に排尿できるように訓練します。尿意を感じないときには、多めに水分をとり、決まった時間にトイレに行く習慣をつけるようにします。トイレで下腹部を軽く押したり、水の音を流してみたり、リラックスしながら排尿できる方法を自分なりに工夫して見つけるようにしましょう。尿漏れがあるときは、尿漏れ用のパッドなどを利用するのもおすすめです。

・排便障害
排尿障害と同様に、直腸の神経が傷ついたりうまく働かなくなったりすると、直腸の動きが悪くなり便秘や下痢になる場合があります。放射線治療を行った後にも、腸の動きが悪くなり、便秘になることがあります。

・足のむくみ(リンパ浮腫)
直腸骨盤内や足の付け根のリンパ節を取り除いた場合、リンパの流れが滞り下半身がむくむことがあります。浮腫は場合によって足をパンパンに腫らせるほどになり、治療後すぐに現れることもありますが、数年たってから出てくることもあります。リンパ浮腫でむくむと足を動かしづらくなりますが、適度に足を動かすことはむくみの解消に有効です。また溜まったリンパ液に細菌感染が起こってしまうこともあるので、皮膚は清潔に保つように心掛け、小さな怪我も化膿しないように消毒しましょう。

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【子宮体がんの予防をもっと知る】

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