めまいに良いサプリメント成分について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【めまいに良いサプリメント成分】

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ひとくちにめまいといっても、原因はさまざまです。よくいわれているのが、貧血や耳・脳の病気、更年期障害など。重篤な疾患が隠れているのではと、不安に思っている人もいるでしょう。しかし、めまいの原因として最も多い良性発作性頭位めまい症は、命の危険や後遺症が残らないものなので、考えすぎてストレスを溜めてしまわないようにしましょう。ストレスもめまいを引き起こす原因になります。

めまいのほとんどは、運動やバランスの良い食事を摂ることで改善できるといいます。また、不足しがちな栄養をサプリメントで補給するのも◎。ここでは、めまいに効果的といわれているサプリメント成分と特徴を紹介します。

■めまい対策にサプリメントが良い理由

めまいが気になり医療機関を受診しても、具体的な対処法が分からないまま診察が終わってしまうケースがあります。そうなると自分でできるのは、バランスの良い食事を心掛け、健康的な生活を送ること。しかし、何かと忙しい現代人にとってバランスの良い食事はなかなかハードルが高く感じます。そんなときに強い味方になってくれるのがサプリメントです。

食生活を見直して、自分に不足している成分が何かをチェックしてみるのはいかがでしょうか。

ここからは、各成分がなぜめまい改善に効果的なのかを説明します。


■めまいに効くサプリメント成分まとめ

カルシウム

骨だけじゃない!神経伝達やホルモン分泌にも必要な成分

カルシウムは、人間の体内でいちばん多いミネラルです。99%は骨や歯に貯蔵されていますが、残りの1%は体液や筋肉中に含まれています。骨を作るのに欠かせない成分としてお馴染みですが、筋肉の収縮や拡張、神経伝達、ホルモン分泌などにも欠かせない成分。イライラしたら牛乳を飲むと良いといわれるのは、このためです。

カルシウムが不足すると、脳神経細胞の働きに支障が出ます。脳の働きが低下すると、骨に貯蔵されているカルシウムを血液中に放出するように甲状腺から命令がくだされます。すると、カルシウムの摂取量は少ないのに、血中濃度が高いという矛盾した状態に陥ります。「カルシウム・パラドックス」と呼ばれる状態です。

慢性的にカルシウム不足が続くということは、血中カルシウム濃度が高いままの状態が続くということ。すると、血管の壁にカルシウムが取り込まれ、徐々に硬くなっていきます。血管壁が柔軟性を失うと、血流の悪化や動脈硬化を引き起こし、めまいの原因となるのです。カルシウム不足を感じている人は、しっかり補給するようにしましょう。

カルシウムを摂取するときは吸収を助けるマグネシウムも一緒に摂るようにすると良いでしょう。

鉄分

特に女性は摂っておきたいミネラルのひとつ

鉄分は血液を作るのに欠かせないミネラル。赤血球中のヘモグロビンを作るのに欠かせない栄養素です。赤血球は酸素を体中に運び、二酸化炭素を運び出す働きを持つ大事な細胞。鉄分が不足すると、脳に酸素がいかずに脳貧血を起こし、めまいが起こってしまいます。鉄分を充分に補給することで、正常な赤血球が作られ、めまいも起きにくくなるでしょう。

女性は月経や妊娠のときに、特に鉄分を失いやすくなっています。日頃から意識して摂るようにするのはもちろん、量を多く摂った方が良い時期も把握しておきましょう。痔や消化器系の疾患が原因の不正出血が隠れているケースがあるため、鉄分を補給しているのに貧血の改善がみられない場合は早めに医療機関を受診してくださいね。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は主に動物性の食品に多く含まれており、体内に吸収されやすいのが特徴です。非ヘム鉄は植物性の食品に多く、体内へ入ってから一度ヘム鉄へ変換しなければならないため、吸収率がヘム鉄に比べて下がります。しかし、ビタミンCと一緒に摂ることで、吸収率を上げられます。

食事に含まれる鉄分はあまり多くないため、鉄分不足を補うにはサプリメントを利用するのが良いでしょう。

ビタミンB12

血液を作り健康を保つ造血ビタミン

ビタミンB12は水溶性のビタミン。レバーや魚介類に多く含まれています。これらの食材が苦手な人やアレルギーのある人はサプリメントで摂るようにするといいでしょう。

ビタミンB12は葉酸と合わせて、赤血球に含まれているヘモグロビンの材料の1つです。血を作るのに欠かせないことから、造血ビタミンとも呼ばれる人間にとって必要な成分。妊娠のときに摂りたい成分として知っている人も多いでしょう。

ビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血という悪性貧血になってしまうことがあります。赤血球が正常に作られないため、栄養や酸素などの不足が起きるのです。巨赤芽球性貧血は、倦怠感やめまいといった症状が現れます。めまいだけでなく疲れやすさも感じる人は、貧血になっているかもしれません。

ビタミンB12は、ヘモグロビンの形成のほかに、神経細胞の生成や神経伝達にもかかわっています。ビタミンB12の不足で起こる神経伝達の乱れには、手足のしびれや記憶障害、うつといった症状が伴うケースが多く、日常生活を送るうえでストレスになります。すると、自律神経のバランスが乱れてめまいを生じることも。肉体的・精神的な健康維持に欠かせない成分です。

ビタミンB1

脳に栄養を届ける大事な役目があるビタミン

ビタミンB1は水溶性のビタミンの1つで、チアミンとも呼ばれます。糖質からエネルギーを作り出す働きや、皮膚や粘膜を健康的に保つ効果などがあります。糖質の1種であるブドウ糖は、脳の唯一のエネルギー源。ビタミンB1が不足すると、脳へのエネルギー補給も滞ってしまうでしょう。日々の活動に欠かせない成分です。また、脚気という心不全や末梢神経障害を起こす病気の予防にも、ビタミンB1が必要です。

ビタミンB1の不足により、脳に栄養が届かなくなるとめまいを生じやすくなります。欠乏状態が長く続くと、ウェルニッケ脳症という病気になってしまうことも。ウェルニッケ脳症の症状の中に、運動障害があります。歩行が不安定になるので、めまいがしているように感じることもあるでしょう。また、病気の回復過程でめまいがあらわれるケースもあります。

玄米に多く含まれているといわれていますが、味や固さから食べにくさを感じる人も多いでしょう。また、妊娠中につわりで食事が摂れない人や胃切除をした人、アルコールを良く飲む人は不足しがちになるといいます。激しい運動をしている人も、エネルギー消費が激しいのでビタミンB1が不足しがちになるので注意しましょう。手軽に摂取するならサプリメントがおすすめです。

ナイアシン

口内炎はナイアシン不足のサインかも?神経や内臓を助ける成分

ビタミンB3とも呼ばれる成分。水溶性のビタミンで、熱に強いのが特徴です。糖質や脂質、たんぱく質などの代謝を助ける補酵素としての働きを持っているほか、神経や内臓の働きを活性化させます。人間のエネルギー生産の50%以上にかかわっているとされる、重要な成分です。肝臓でトリプトファンというアミノ酸から合成できますが、ストレスが多いと不足しがちになります。また、肝機能が低下していると、合成量が減ると言われているので、偏った食事やアルコールに注意が必要です。

ナイアシンは体内で、糖質や脂質、たんぱく質の代謝にかかわっています。代謝の過程でエネルギーを生産し、活動を支えているのです。その他、脂肪酸やステロイドホルモンの合成、細胞分裂などにも必要なビタミンです。

また、皮膚や粘膜を健康的に保つのにも欠かせません。ナイアシンが不足すると、皮膚や粘膜の健康が阻害されるため、湿疹や炎症などが起きやすくなるでしょう。さらに、神経障害も引き起こすことがあり、不眠や疲労の蓄積などの症状が現れます。こうした症状はストレスのもとであり、めまいの原因の1つ。欠乏が続くと、記憶障害や錯乱といった精神症状が出てくることも。

ナイアシン欠乏が見られる人は、鉄や他のビタミン類が不足していることも多いので、バランスよく栄養素を摂取することが望ましいとされています。食事を見直し、サプリメントで補給するといいでしょう。

葉酸

酸素を運ぶ赤血球の生成を助ける葉酸

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。葉野菜に多く含まれることから葉酸という名前がついたといわれています。葉酸がめまい改善に有効といわれているのは、主な働きである赤血球の生成を助ける役割を持っているからです。

めまいは、貧血によって酸素の供給が上手くいかず、脳にまで行き届かないことで起こります。葉酸を摂取すると体中に酸素を運ぶ赤血球が生成され、供給できる酸素量が増加。脳に酸素が届くだけでなく血流も良くなるので、めまいや貧血、動脈硬化などの改善・予防につながるのです。

葉酸が不足してしまうと、葉酸欠乏症になる可能性があります。めまいや貧血に加えて、下痢、味覚障害などが引き起こされることも。より深刻な状態になると、筋力低下、鬱といった日常生活に支障をきたす症状まで現れます。食生活が不規則な方や日常的に飲酒・喫煙をしている方は特に葉酸欠乏症になりやすいといわれているので注意が必要です。

ただ、葉酸を食事で取ろうと思っても、水溶性ビタミンなので長く水にさらしたり茹でたりすると溶け出てしまい、摂取できる量が減ります。素早く洗う、汁ごと食べられる料理を作るといったコツがありますが、毎食気を付けてメニューを考えるのは面倒。手間をかけずに続ける方法として、サプリメントでの摂取がおすすめです。

ビタミンC

言わずと知れた美容成分!血管の健康を保つのにも◎

ビタミンCは水溶性のビタミンです。果物や野菜に多く含まれていますが洗浄や調理の過程で流出しやすい特徴があります。そのため、サプリメントで不足分を補うのが◎。1度に大量のビタミンCを摂取すると、稀に下痢になってしまう人がいるため、1日の中で何回かに分けて摂るのが理想とされています。

ビタミンCは、コラーゲンの生成に欠かせない成分として、美肌目的で摂取している人も多くいるでしょう。実は、血管にもコラーゲンは必要です。ビタミンC不足により血管が正常に保たれないと貧血になりやすくなってしまいます。

また、ビタミンCには抗酸化作用があります。血管で発生した活性酸素を除去してくれるため、血流の改善につながるでしょう。その他に、非ヘム鉄を体へ吸収しやすいヘム鉄へ変換する働きもあるため、ビタミンCの摂取は貧血の改善に役立ちます。

ビタミンCは抗ストレスホルモンの生成にも関与していることが分かっています。ホルモン分泌を行う副腎にビタミンCが多く貯蔵されているのはそのためです。ストレスは自律神経のバランスを乱してめまいを生じさせることがあります。抗ストレスホルモンの材料であるビタミンCは、精神的な問題が原因のめまいの予防にも必要といえるでしょう。

マルチミネラル

さまざまなミネラルをバランスよく摂取できる

マルチミネラルのサプリメントには、いろいろなミネラル分が含まれています。商品によって配合されているミネラルの種類や量に差があるので、自分に合った商品を探すことが大事です。

めまいに効果的なミネラルを見ていきましょう。1つめはマグネシウム(Mg)です。マグネシウムには血管拡張作用あるため、脳貧血の症状を改善する効果があります。また、イライラを鎮めてくれるため、ストレスからくるめまいの予防にも効果的です。

2つめは銅(Cu)。銅は体内で鉄と鉄を輸送するたんぱく質が結合するために必要です。銅が不足すると鉄分を摂っても必要な場所へ輸送されず、赤血球の材料として使えません。そのため、貧血を起こしやすくなります。また銅は、活性酸素を除去する体内酵素の構成成分としても欠かせないミネラルです。

ミネラル分はバランスよく摂取しないと、拮抗作用が生じます。Aが多いとBが排出される…といった状態になってしまうのです。摂りすぎず少なすぎず、適度にミネラルを摂り入れられるマルチミネラルはとても便利なサプリメントといえるでしょう。単独の成分をサプリメントで摂取している人は、成分の重複が無いかチェックが必要です。

【参考文献】

  1. ジェネリック医薬品の沢井製薬:女性も男性も「貧血・めまい」に注意!
  2. J-STAGE Home:めまいと栄養【PDF】
  3. 医師たちがつくるオンライン医療事典MEDLEY(メドレー):めまいに効く市販薬はある?

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【めまいについてもっと知る】

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