自律神経失調症に良いサプリメント成分について解説します。病気の原因や症状、対策方法まで、健康づくりに役立つさまざまな情報など。

気になる病気や症状がある場合は調べてみましょう。

【自律神経失調症に良いサプリメント成分】

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■自律神経失調症対策にサプリメントが良い理由

自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れた状態のこと。自律神経のバランスが乱れると、だるさや偏頭痛、慢性的な疲労などの身体面の症状やイライラ、憂鬱感、不安など精神的な症状といった、さまざまな症状を引き起こします。

自律神経失調症を引き起こす直接的な原因は、いまだ特定されていません。しかし、過度なストレスや生活習慣の乱れなども影響していると考えられています。そのため、自律神経失調症を改善するには、ストレスを解消するコツを把握するほか、食生活の改善や定期的な運動などを行うことで、規則正しい生活習慣を送ることが大切です。

また最近では、リラックス効果や鎮静作用などを持つ成分を含むサプリメントも注目を集めています。普段の生活習慣を見直しつつ、自律神経失調症対策としてサプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。


■自律神経失調症に効くサプリメント成分まとめ

ローヤルゼリー

豊富な栄養素を含む女王蜂専用の「特別食」

ローヤルゼリーとは、はちみつや花粉を食べた働きバチの体内でつくられ、咽頭腺から分泌される乳白色のクリーム状の物質のこと。働きバチに比べて2倍以上の大きさに成長し、毎日約1,500~2,000個もの卵を産む女王蜂の大切なエネルギー源となります。そのため、ローヤルゼリーは別名「王乳」とも呼ばれているのです。

炭水化物やたんぱく質、脂質などの三大栄養素をはじめ、ビタミン、ミネラルなどがバランス良く含まれているローヤルゼリー。40種類以上の栄養素を含む、天然の栄養食と言えます。

「デセン酸」と呼ばれるローヤルゼリーにのみ含まれる成分も特徴の一つです。デセン酸はホルモンの司令塔とも呼ばれる間脳視床下部の働きをサポート。自律神経失調や更年期障害によるトラブルを改善する効果が期待されています。

ほかにも含有するアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質により、自律神経の乱れが整い、めまいやイライラといった症状を緩和。ローヤルゼリーには更年期障害の症状を緩和させる効果が期待されています。

しかし、そんなローヤルゼリーは巣の中の女王蜂が誕生する「王台」一つから、わずか300mgほどしか採れません。また、生のローヤルゼリーは熱に弱く劣化しやすいため、保存方法に注意が必要です。ローヤルゼリーを手軽に摂取したい方は、サプリメントで飲むと良いでしょう。[注1][注2][注3][注4]

GABA(ギャバ)

人間の体内に存在する心と体を穏やかにする成分

GABAは私たち人間をはじめ、動物や植物の体内に存在するγ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)と呼ばれるアミノ酸の一種。頭文字をとってGABA(ギャバ)と呼ばれている成分です。

1950年に初めて哺乳動物の脳から抽出されたGABA。その発見によって注目が集まりさまざまな研究が行われた結果、GABAが中枢神経で働く神経伝達物質であることが分かりました。1961年にGABAを主成分とする医療用医薬品が承認され、1979年には消化管にも神経伝達物質としてGABAが作用していることが判明し、体のあらゆる部位で発見されました。

そんなGABAにはリラックス効果が期待されています。GABAは高ぶった神経の働きを抑える作用を持っていて、運動時やストレスによって生じた興奮状態を鎮める働きも。興奮状態になると脳内のアドレナリンの分泌が活発になりますが、GABAを摂取することによって興奮状態が抑制され、リラックスした状態に導かれます。

もともと体内に存在するGABAですが、食事で摂取することも可能です。GABAを含む食品の中でも発芽玄米に多く含まれており、含有量は玄米や白米の数倍。醤油や味噌といった発酵食品にも含有しています。普段の食事に積極的に取り入れるようにし、不足する分は、GABAを含むサプリメントで上手に補給する方法があります。[注5][注6][注7]

テアニン

お茶に含有する心を「ホッ」とさせてくれる成分

テアニンとは、お茶に含まれている旨味成分のことで、お茶の種類でも高級なお茶として知られる玉露や抹茶などに豊富に含まれています。

お茶を飲むと、「ホッ」と心が穏やかな気持ちになる方も多いのではないでしょうか。それは、テアニンが持つリラックス効果が関係しているからです。テアニンには興奮を鎮めて心身をリラックスさせる働きがあります。摂取してから40~50分ほどで、リラックス状態に現れる脳波α波が増加。脳の興奮を抑制して神経を落ち着かせ、ストレスを抑える効果がさまざまな研究や実験で確認されています。

テアニンには快適な睡眠を促す効果があるとされており、寝る前に摂取することで睡眠から覚醒への移行がスムーズに進行。寝つきを良くし、睡眠の質を高める効果があると考えられています。

女性特有の悩みである月経前症候群や更年期障害などにも効果を発揮するテアニン。月経前に生じやすいいらだちや憂鬱感、疲れやすいなどの症状を緩和してくれるほか、ほてりや動悸、不安感といった更年期障害の症状も軽減すると言われています。

お茶を飲んでテアニンを摂取するのも良いですが、多く摂取しようとするとお茶が持つ利尿作用やカフェインなどの影響もあるため、注意が必要です。効率よくテアニンを摂るならお茶を飲む量に気を付けるか、サプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。[注8][注9]

セントジョーンズワート

古代から民間薬として利用されてきた植物

セントジョーンズワートは、日本で別名「西洋弟切草(セイヨウオトギリソウ)」とも呼ばれている多年草の植物。黄色い花を咲かせるセントジョーンズワートは花びらや葉に無数の斑点があるのが特徴で、指でこすると赤い液がにじみ出ることから古代ヨーロッパにおいては魔除けに使用されていたようです。また、民間薬として活用されてきた歴史もあるセントジョーンズワートは、火傷や切り傷の外用薬、うつ症状や更年期症状、不眠症などの内服薬としても利用されてきました。現在日本では、精神を安定させる効果が期待できることから、サプリメントの原料として注目されています。

過度なストレスや過労などによって脳内にある神経伝達物質の一つであるセロトニンが減少したり働きが下がったりすると、うつ病の症状が現れると考えられています。しかし、セントジョーンズワートを摂取すると、含有するヒペルフォリンという成分がセロトニンを分解する酵素の働きを抑制。それによってセロトニンの濃度を高め、不安や緊張を緩和し沈んだ心を落ち着かせてくれます。

そのほかにも、月経前症候群や更年期障害の症状改善が期待できるだけでなく、不眠の解消効果があると言われている成分です。[注10][注11]

バレリアン

古くから薬用としても使われていたハーブ

バレリアンは、夏にピンクがかった白い花を咲かせるハーブの一種で、セイヨウカノコソウとも呼ばれています。乾燥させると独特な強いにおいを発するバレリアンの根は、古くから薬用として利用されてきました。古代ギリシャ時代から、神経の高ぶりを鎮めて深い眠りに導いてくれるハーブとして利用されてきた歴史があります。また日本では、江戸時代にオランダから蘭方薬として入ってきたと言われており、第二次世界大戦前までは精神・神経疾患の領域において鎮静剤として利用されました。

バレリアンは中枢神経を穏やかにする働きがあることが分かっており、不安や緊張を和らげます。また鎮静作用もあり、興奮状態を抑えてリラックス効果をもたらすと言われているのです。筋肉の緊張も緩和させる働きがあるので、筋肉のこわばりによる肩こりや疲れなどの解消にも効果を発揮。鎮痛作用によって頭痛や腹痛などの緩和にも役立つとされています。

そんなバレリアンはハーブティーやサプリメントで摂るのが一般的。ただし、ハーブティーで摂取する場合、独特なにおいや強い苦みを感じて飲みづらさを感じる方も多いようです。臭いや苦みが気になる方は、サプリメントで摂取すると良いでしょう。[注12][注13]

高麗人参

時間をかけて生み出される有効成分サポニン

高麗人参とは、オタネニンジンというウコギ科の薬用植物の根を乾燥させたもの。カリウム・鉄・亜鉛・アミノ酸・ビタミン類といった多くの栄養素を含み、古来より滋養強壮の薬として知られてきました。中でもサポニンと呼ばれる成分は、ストレスに対する抵抗力を高め、体の活力向上に働きかける効果があると言われていることから、自律神経失調症を改善する働きが期待されています。

高麗人参の価値を決めるのは、サポニンの量です。サポニンの量は栽培年数と栽培方法で変わります。一般的には栽培年数を追うほどにサポニンが増え、6年ものが一番高価。栽培年数がそれ以上になると表皮が老化してしまい、価値が下がります。畑から掘り出したままの水参(すいじん)、水参を乾燥させた白参(はくじん)、白参を蒸して乾燥させた紅参(こうじん)の3種類に分類。紅参は作業行程中にサポニンが増えるため、高級品として取り扱われます。

高麗人参の摂取方法はさまざまで、酒に浸して飲んだりてんぷらにして食べたりすることも。韓国では鶏と一緒に煮込んだサムゲタンが人気です。多くの効果が期待される高麗人参ですが、血圧をあげる働きがあるため、高血圧の人は控えたほうが良いでしょう。

サポニンには強い苦味があるため、クセのある味が苦手な人はサプリメントで摂取する方法もあります。[注14][注15]

霊芝

漢方として珍重されてきた「幻」のキノコ

霊芝とはサルノコシカケ科のキノコで、湿気がある山林地帯に自生しています。以前は希少品として高値で取引されていましたが、近年人工栽培に成功したため身近な存在に。現在栽培されている一般的な霊芝は「赤芝」と呼ばれており、日本でも栽培されています。一方、自然界には傘が開いていない鹿角霊芝といわれるものも存在。鹿の角のような形状で、栄養素が特に豊富に含まれていることから貴重な霊芝といわれています。

霊芝はアミノ酸やβ-D-グルカンをはじめ、ミネラル類のカルシウム、リン、マグネシウム、カリウムなどを豊富に含有。血液をきれいにする、神経機能を正常に保つ、腸内環境を改善するといった働きがあることから、体のバランスを正常に戻し自律神経失調の症状を落ち着かせる効果が期待されています。血行が促進されると体内の老廃物が排泄され、代謝が改善。血中の脂質が原因となる動脈硬化、高血圧、脳卒中といった生活習慣病の改善にもつながります。

また、β-D-グルカンには免疫力を高める効果も。丈夫な体作りやアレルギー症状の緩和などが期待できます。 ただし、霊芝自体が非常に固く食べることが難しいため、食用としては適していません。摂取するなら煎じて飲むほか、サプリメントがおすすめです。[注16]

<参考文献>

  1. [※1](社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会「ローヤルゼリー基礎情報」
  2. [※2]わかさの秘密「ローヤルゼリー」
  3. [※3]Mondo21「ドクターズレポート 今回のテーマはローヤルゼリー」
  4. [※4]山田養蜂場のみつばち健康科学研究所「ローヤルゼリーの「老化予防」に関する研究データ」
  5. [※5]わかさの秘密「GABA(ギャバ)」
  6. [※6]ギャバ・ストレス研究センター「GABAとは?」
  7. [※7]日本食品機能研究会「GABA(γ-アミノ酪酸)」
  8. [※8]わかさの秘密「テアニン」
  9. [※9]わかさ生活「テアニンでぐっすり眠って疲れ知らず!」
  10. [※10]わかさの秘密「セントジョーンズワート」
  11. [※11]常磐植物化学研究所「セントジョンズワート(St. John's wort)」
  12. [※12]わかさの秘密「バレリアン」
  13. [※13]一般社団法人 日本サプリメント協会「バレリアン」
  14. [※14]クラシエ「高麗人参とは」
  15. [※15]わかさの秘密「高麗人参」
  16. [※16]わかさの秘密「霊芝(れいし)」

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