アミノ酸を摂取すれば
筋肉量が増える?

アミノ酸のなかでもBCAAは筋肉の合成と分解抑制に密接に関与している

ロイシン、イソロイシン、バリンの3つのアミノ酸は分岐鎖アミノ酸BCAAと呼ばれます。BCAAは筋肉を構成する主要なアミノ酸ですが、筋肉の材料となるだけでなく、筋肉合成の促進や分解抑制といった機能を持っており、筋肉量の維持増加に重要な役割を担っています。

筋肉を増やすためには年齢性別に関わらず2つの刺激が必要で、それは「運動刺激」と「栄養刺激」です。高齢になると筋肉量は低下しやすくなりますが、それは一体なぜでしょう。筋肉は、1日の中でも栄養摂取のタイミングにより合成と分解を繰り返しており、そのバランスで筋肉量は決まるのです。

分解量は高齢者も若年者も同等ですが、高齢者は加齢により栄養刺激に対する反応(筋肉合成)が弱まり、若年者と同量の栄養を摂取していても効率的に筋肉合成ができず、合成量が低下していきます。結果として1日のうちの合成と分解のバランスが崩れ、徐々に筋肉量が減少していきます。このように加齢に伴い筋肉量が減少することをサルコペニアと呼び、ロコモティブシンドロームの前兆ともいわれ、サルコペニアは40代から始まっているともいわれます。

しかし高齢であるからといって諦める必要はありません。実際、高齢者においてBCAAの一種であるロイシンを40%配合させた必須アミノ酸を継続摂取させることで、筋肉量が大幅に増加し、それに伴い歩行機能などの運動機能が改善されたという報告もあります。アミノ酸をうまく活用することにより、食の細くなった高齢者でも無理なく筋肉増加を図れる可能性があるのです。

BCAAは筋タンパク質の分解を抑制する働きも

運動時はエネルギーを継続的に供給するように、グルコース・アラニンサイクルというエネルギーの再生産の仕組みが活用されます。BCAAはこの仕組みの中で利用され、激しい運動を続けると、BCAAを確保するために大量の筋肉が分解されてしまいます。しかし外部からBCAAを摂取しておくことで、血中のBCAAが利用され、筋肉を分解する必要がなくなり、結果として筋肉の分解を抑制することができるのです。年齢性別に関わらず運動前と運動後のタイミングに上手にBCAAを補い「栄養刺激」を与えることで筋肉量を適正に保つことは可能なのです。

厚生労働省が5年に一度発行している「日本人の食事摂取基準」の最新版である2015年版において、高齢者の健康寿命の延長、介護予防の観点から、BCAAの一種であるロイシンの筋タンパク質合成促進効果の有効性も記載されております。BCAAの有効性は、国をはじめさまざまな業界が注目しており、今後も食品やサプリメント等に応用されることが期待されています。

他にもBCAAには疲労回復効果(アミノ酸と疲労回復)、ダイエット効果(アミノ酸とダイエット)などの作用も期待されています。サプリメントなどから摂取する場合はアミノ酸の摂取目安量アミノ酸の副作用を頭に入れて、適切に補給しましょう。

profile

渋谷DSクリニック 林博之院長

2005年にダイエット・部分痩せ専門クリニックとして渋谷DSクリニックを開院。 ダイエット専門医師としてダイエットにおけるあらゆる独自のノウハウを培ってきたパイオニア的存在。 ヒトが持つ本来の美しさを活かし、正しいダイエット方法を全ての人に伝える。的確なアドバイスが評判。

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