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リコピンとはどのような成分?

リコピンの概要

リコピンとは、鮮やかな赤色色素のカロテノイドの一つです。カロテノイドとは天然の動植物に存在している自然な色素全般のことを指しています。ニンジンやすいか、パパイヤなどの赤色の果物や野菜の彩りもカロテノイドによるものです。

リコピンが多く含まれる代表的な食品として、トマトやトマト製品があります。カロテノイドにはリコピンの他にβ-カロテンがあります。β-カロテンは人参やパセリ、かぼちゃやほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれ、体内ではビタミンAに変換されます。ビタミンAは抗酸化作用が高い栄養素としてβ-カロテンとともに栄養学的には早々に知られていました。カロテノイドの仲間であるリコピンは、β-カロテンのように体内でビタミンAに変換されるということはありませんが、リコピンの効果効能にここ数年注目が集まっていて、研究も進んでいます。

というのもリコピンはβ-カロテン以上に抗酸化作用が高いことが解明されてきたからです。また、野菜の栄養といえば水溶性で熱に弱いというイメージを持つ人が多い中、リコピンは加熱してもほとんど消失しません。それだけでなく、脂溶性なのでリコピンを多く含む食材は油と一緒に調理をすることで、体に吸収されやすくなります。そこでこの優れた成分が国内では健康食品、トクホ商品、機能性表示食品として利用されるようになり「リコピン=健康に良いもの」という市民権を獲得したのです。「リコピンによる美容効果」「リコピンによるダイエット効果」など、多方面に渡る健康効果に研究者も消費者も注目しています。

また、リコピンは鮮やかな発色と無毒性という点で、食品の着色原料にも多く利用されています。

カロテノイドと抗酸化作用

β-カロテンやリコピンを代表例にもつ「カロテノイド」。カロテノイドはもともと植物に含まれる色素です。植物中に存在するカロテノイドには約500種類もあり、そのうちの約50種類が食用の野菜や果物に含まれます。私たち人間は、強い紫外線など、自分にとって過酷な環境にさらされると自ら移動して、その環境から回避することが出来ます。植物は移動することはできない代わりに紫外線から自身の身を守るメカニズムを自ら作り出しているのです。その一つが「カロテノイド」です。

カロテノイドは紫外線を遮断するフィルターとして働きます。また、植物細胞の中で活性酸素を除去します。近年、カロテノイドの活性酸素によるダメージから身を守る「抗酸化作用」は植物の中だけでなく、私たちの体内でも同じ作用をもたらすことがわかってきました。

このカロテノイドの恩恵は、私たちは食品を摂取することで受けることができます。野菜をたくさん食べた方が良い理由は食物繊維やビタミン&ミネラルなどの微量栄養素が摂取できることのほかに、この植物独特のカロテノイドが摂取できるからでもあります。リコピンについてはリコピンの摂取目安量なども頭に入れ、上手に取り入れたいですね。

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メディアージュクリニック青山 椎名邦彦院長

出産や高度不妊治療、若年層の月経に関するトラブル、婦人科疾患・ガンの治療と多岐に渡り、長年女性の一生に向き合う中で、健康や外見面の美しさ、内面的な充実、そしてアンチエイジング医療など、トータルな女性医療の重要性を実感。

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