コラーゲンの効果とその作用

主に美肌成分として知名度の高いコラーゲンですが、コラーゲンにはいくつかの種類があります。皮膚だけでなく骨の形成や血管の健康などにも関わっており、私たちの健康を維持するために不可欠な成分のひとつです。ここではコラーゲンの摂取目安量や効果効能・研究成果、摂取目安量などについて詳しく解説します。

こすぎレディースクリニック 椎名邦彦先生監修

こすぎレディースクリニック 椎名邦彦先生監修

コラーゲンとはどのような成分か

コラーゲンというと皮膚の構成成分というイメージがあるかもしれませんが、じつはコラーゲンはさまざまな部位の構成成分でもあります。

皮膚、腱、血管、臓器、筋肉、毛髪、眼、爪などには特に多く存在しています。私たちの体を形成するたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。

体内でも合成される成分ですが、40歳を過ぎたあたりから体内で生成される量は著しく低下してしまいます。

肌を健やかに保つためだけでなく、臓器や骨、筋肉の健康維持のためにも不可欠な成分であるため、特に年齢を重ねた人ほどコラーゲンが体内で合成されるような食事を意識した方が良いというのが一般的な認識です。

コラーゲンは本来高分子のたんぱく質であるため、コラーゲンを食べてもそのまま吸収されることはありません。

まずは体内でペプチドというかたちに分解されて、さらにアミノ酸となって吸収され、そのあと必要に応じてコラーゲンに合成されていきます。

高分子であればあるほど、消化吸収のプロセスに時間がかかるため、現在では多くのメーカーが「低分子コラーゲン」を開発、体内に吸収されやすいように工夫された製品が販売されています。

低分子コラーゲンのほうが吸収率も高いことが報告されていますが、あえて高分子コラーゲンにこだわっているメーカーもあります。

高分子コラーゲンであれば、アミノ酸の“特定の配列”が維持されているため、そのサインによって体内のコラーゲンが生成されるという理論に基づいて開発されたものだそうです。

コラーゲンには異なる構造を持ったものが30種類以上もあることがわかっています。私たちの体内に最も多く存在するのは、「Ⅰ型コラーゲン型」で、多くの研究が行われています。

Ⅰ型コラーゲンは皮膚や骨、歯や腱などの主成分で、化粧品やサプリメントに配合されているコラーゲンはこのⅠ型コラーゲンです。

もうひとつ注目していただきたいのは、「Ⅱ型コラーゲン」です。こちらは関節や軟骨に多く含まれるコラーゲンです。

膝の痛みや関節のトラブルに向けたサプリメントや健康食品の機能性関与成分として届出が受理されており、サプリメントなどの製品も販売されています。[※1] [※2] [※3]

コラーゲンの効果・効能

コラーゲンには次のような効果・効能が期待されています。

■肌の潤いやハリを保つ効果(美肌効果)

コラーゲンは体内にもともと存在する物質で、肌の角層と呼ばれる部分で潤いやハリ、弾力をサポートしてくれます。[※2] 

■関節痛の改善効果

軟骨の約50%はコラーゲンです。コラーゲンペプチドの摂取で軟骨の新陳代謝が促され関節痛を緩和する作用が報告されています。[※4] 

■骨粗鬆症予防効果

骨の質を左右するコラーゲンなどのたんぱく質を摂取することが骨を強く保つことの役立つことが報告されています。[※5]

■動脈効果の予防効果

コラーゲンは血管中にも含まれ、コラーゲンの摂取により血管の弾力を維持し血管壁の傷の修復を促すため動脈効果の予防に役立つと考えられています。[※5]

■爪を強化する効果

コラーゲンの摂取で爪の水分量、硬度が増したことが報告されています。[※6]

■美髪効果

毛髪の毛根部のコラーゲンが不足すると毛髪のトラブルの原因になるため、コラーゲンの維持が白髪や脱毛の予防、髪の太さの維持になると考えられています。[※7]

■目の老化の予防効果

目の水晶体や角膜にもコラーゲンが含まれ、コラーゲンが不足すると角膜が弱くなる一方、コラーゲンの摂取で目の老化を遅らせる作用が期待されています。[※8]

■医薬品や医療の分野での効果

コラーゲンは美容医療の分野ではもちろんやけどの治療などでも使用されます。また手術の糸や薬のカプセルといった用途もあります。

コラーゲンは人の体への相性が良いため、私たちの生活に不可欠な成分なのです。

どのような作用(作用機序・メカニズム)があるのか

コラーゲンがなぜ効果的な働きを示すのか、そのメカニズムについては完全に解明されておらず、多くの企業や研究所によって現在も多角的な研究が続けられています。

そしてこれまではコラーゲンについて、「コラーゲンを飲んだり食べたりしてもアミノ酸に分解されるから意味がない」といった、どちらかといえばネガティブな情報が流される傾向が強くなった時期もありました。

しかし最新の研究では、コラーゲンが体内に入ってから特異的な動きをすることが確認されています。

まず、摂取したコラーゲンはアミノ酸に分解されるのではなく、アミノ酸が数個くっついた「ペプチド」という形で血液中に吸収されるということが解明されています。

さらにこのペプチドが血液に乗ってどこに運ばれるかを検証した動物試験では、実際に骨や関節、皮膚の細胞に運ばれていることも確認されています。

そして、このペプチドがコラーゲンを作る材料になる可能性だけでなく、細胞でヒアルロン酸の成長を促したり、細胞分裂を促したりする“司令塔”の役割を果たしているのではないか、というのが最新かつ主流の見解となっているのです。

コラーゲンが体内に入ることで、コラーゲンはペプチドという形に変わりながらも、細胞そのものを元気にするための指令を送っているというのです。[※9]

どのような人が摂るべきか、使うべきか

コラーゲンは体の重要な構成成分であるため、どんな人にも不可欠な成分のひとつです。若いうちは体内でも生成されますが、40歳以降からはその生成量が激減してしまいます。

年齢的に40歳を過ぎたあたりから意識的に摂取すると良いでしょう。コラーゲンが減少してきたな、というサインには以下のようなものがあります。

  • 肌の弾力の低下
  • 肌の乾燥
  • 爪がもろくなった
  • 傷が治りにくくなった
  • 髪がもろくなった

上記のようなサインが気になり始めたら、意識的にコラーゲンを摂取すると良いでしょう。

コラーゲンの摂取目安量・上限摂取量

肌への効果を体感するには1日5〜10gのコラーゲンを2か月程度は継続して摂取する必要があるとされています。[※10]

老化などでもろくなった爪への効果としては1日7gを3か月摂取で症状の改善が報告されています。

また髪の太さについては8週間で効果が見られたことが報告されています。[※10]

さたに骨や関節への効果を期待する場合は、1日10gは摂取すべきとされています。[※11]

コラーゲンは揚げ物などの高脂肪食と一緒に食べると効果が低下したり、近年老化の原因として注目されている「糖化」を引き起こしたりすると考えられています。

コラーゲンを含有する食品の摂取方法に気を配ることで、健康と美容への効果が最大化されると考えて良いでしょう。[※10]

コラーゲンのエビデンス(科学的根拠)

コラーゲンの効果効能については多数のエビデンスが報告されています。

■美肌作用に関するエビデンス

新田ゼラチン株式会社の研究では以下のようなデータが発表されています。

30〜57歳の女性37名を2群に分け、プラセボ二重盲検法によって1日3gのコラーゲンペプチドまたはプラセボを12週間摂取してもらいました。

その後、シワ・保湿・弾力・ハリの4項目について測定したところ、いずれの項目でも有意に肌状態が改善したことが報告されています。[※12]

■ひざ関節機能に関するエビデンス[※13]

コラーゲンの中でも「非変性Ⅱ型コラーゲン」は機能性表関与成分として認められており、多くの機能性表示食品が販売されています。

膝関節に痛みはあっても医療機関で治療を受けていない、または治療の必要性がない40~78歳の男女29名を対象としたプラセボ二重盲検法試験を実施。

コラーゲンペプチド1日5 g、またはプラセボを16週間摂取させたのち、膝関節の痛みに関する自覚症状、専門医による所見、軟骨、骨および炎症に関する血液・尿検査などについて摂取前、摂取4週、摂取8週、摂取12週、摂取16週で測定しました。

その結果、8週目でひざの曲げ伸ばしの角度が改善したり、自覚症状が緩和したりすることなどが報告されています。

またシステマティックレビュー(質の高い研究データを偏りなく分析すること)による考察でも評価されています。

健常者が非変性Ⅱ型コラーゲン(1日当たり10㎎)を経口摂取することにより、非摂取群(非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取したグループ)に比較して関節(膝)の可動域である曲げ伸ばし範囲(すなわち柔軟性、可動性)の有意な改善が示されている論文などが採用されています。

研究のきっかけ(歴史・背景)

コラーゲンの存在は古くから知られていましたが、長い間、水に溶けないたんぱく質、と考えられていたそうです。

ところが1960年、日本皮革(株)が作った財団法人である日本皮革研究所[現(株)ニッピのバイオマトリックス研究所]研究員であった西原富雄博士が、世界ではじめてコラーゲンを水に溶かすことに成功し、これをきっかけにコラーゲン研究が一気に進んだとされています。

コラーゲンの技術開発が進んだことによって、さまざまなコラーゲン製品が世の中にあふれるようになりました。

コラーゲンは現在も多数の企業や研究者によって研究が続けられ、美容だけでなく、食品や医療など、あらゆる分野で活用されるようになっています。[※14]

専門家の見解(監修者のコメント)

早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門で研究院教授を務める矢澤一良先生は、当サイトの中でコラーゲンについて以下のように話しています。

「ヘルスフードと認めるには『科学的エビデンス』が絶対に必要です。同時になぜその食品(食材)がヘルシーなのかメカニズムも明らかである必要があります。

例えば『コラーゲンを摂っても何の効果もない』と言う人がいますが、そうではありません。1日5,000mgのコラーゲンを1~2か月継続摂取すると肌の保水性が向上するというエビデンスはあります。

確かに『フカヒレを食べればプルプルになる』というのは迷信で毎日食べなければそうはならないでしょうが、実感がないコラーゲンというのは5,000mg以下であったか、摂取期間が短かったからなのです」[※10]

(「サプリ」専門家インタビューより引用・抜粋)

コラーゲンが効く、効かないという論争はいまだに続いていますが、くの専門家がコラーゲンの経口摂取の有効性について認めています。

最新の科学データに基づいて正しい量を摂取すれば、一定の効果は得られると言って良いでしょう。

コラーゲンを多く含む食べ物

コラーゲンは動物性のたんぱく質に多く含まれています。特に肉、魚の皮や骨、内臓には豊富に含まれています。手羽先や鶏がら、魚もできれば丸ごと食べることでより摂取量が増えるでしょう。

日本人の場合、魚食が減っていることでコラーゲンの摂取も減少傾向にあることが報告されています。

特に身近な食品でコラーゲンをたっぷり摂取できる食べ物が「しらす」です。価格も安価な上に、コラーゲンがたっぷり含まれ、他の微量ミネラルも摂取することができる優秀な食品です。

相乗効果を発揮する成分

コラーゲンと相乗効果のある成分としてよく知られているのが、ビタミンCです。体内でコラーゲンが安定するために欠かせない成分だからです。またエラスチンと摂るとさらなる美肌効果が、そしてたんぱく質全般と摂取することで肌や細胞の生まれ変わりを助けることが知られています。また一緒にとりすぎないほうが良い成分として糖質や体に悪いとされる油が挙げられます。[※10]

コラーゲンに副作用はあるのか

食品から摂取するコラーゲンの副作用については心配する必要はありません。

ただし、サプリメントを摂取して体調に異変が現れたらすぐに使用を中止し、サプリメントの原料・コラーゲンの由来を確認してください。

原料がアレルギーや不調の原因となっている可能性もあります。また、たんぱく質にアレルギーがある人も注意が必要です。