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亜鉛はアトピーやアレルギーに
効果がある?

食物アレルギーは亜鉛不足が原因?

いわゆるアレルギー症状として知られるものに「食物アレルギー」と「アトピー」があります。

亜鉛の効果効能でも詳しく説明した通り、亜鉛は体内で多くの酵素を作るのに必要です。消化酵素もその一つで、胃酸やたんぱく質、分解酵素を作る際にも必要不可欠な栄養素が亜鉛なのです。そのため、亜鉛が不足してしまうと、たんぱく質を消化する力が落ち、アミノ酸にまで十分に分解されずに腸から血液中に入りこんでしまいます。体内の免疫細胞はこの、十分に分解されていないたんぱく質を「異物」とみなし、排除しようとして抗原抗体反応が起こります。これが食物アレルギーの原因です。

体内で抗原抗体反応が起こると、活性酸素が大量に発生し、炎症を起こします。この炎症を抑える活性酸素除去酵素(SOD)の構成要素としても亜鉛は関与しています。また、亜鉛はアトピーや喘息などを抑制するプロスタグランジンというホルモンの生成にも関与しているため、亜鉛不足によってアトピーや喘息体質といった免疫異常が起こりやすくなるのです。

アトピー性皮膚炎と亜鉛の関係

実際、医療現場においてもアトピー性皮膚炎の治療に亜鉛が用いられることは少なくありません。いまや日本人の10〜20%がアトピー性皮膚炎の患者ともいわれます。アトピー性皮膚炎の人にとって健康なコラーゲンを作り出すことは必要不可欠ですが、このコラーゲンの再生にも亜鉛は重要な役割を果たしています。またアトピー性皮膚炎の人がかかりやすいウイルス性の皮膚病から守ってくれる免疫力のアップにも、亜鉛は役立つのです。いずれにせよ亜鉛の欠乏症はさまざまなアレルギー疾患を悪化させてしまうことま間違いありません。

亜鉛をきちんと吸収させることが大事

アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患を持つ人は、平均的に痩せ型の人が多い傾向にあります。これは、アトピーやアレルギーを持っている人の腸は弾力がなく、栄養素を吸収する力が落ちていることが原因とされています。また、栄養素の吸収力が弱いことに加え、腸の機能も弱いため、下痢や便秘になりやすいとの特徴もあります。腸の機能が弱いことにより、必要な栄養素を食事でしっかり補ったとしても、下痢などが理由で体内には吸収されず、症状が悪化してしまうということもあります。

もちろん、アトピーや喘息、アレルギーを改善するためには亜鉛のみならず、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルやビタミン全般をバランスよく摂取することが必須です。食事だけで不足している栄養素、1日に必要な量を補給するのが大変な場合はサプリメントでの補給もおすすめです。残念ながら亜鉛の1日の平均摂取目安量は亜鉛の摂取目安量を下回っているからです。亜鉛を含む食品を頭に入れておき、もちろん食品からの摂取も心がけてください。

すでに何らかのアレルギー症状でお悩みを抱えている場合は医師による治療を受け、また亜鉛を医薬品やサプリメンとで補給することで症状の改善が見られてきたら、食事で補う、というように切り替えていくのがサプリメントととの上手な付き合い方です。

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宮澤医院 宮澤 賢史

血液、尿、唾液など生体から得られる情報と十分な問診をもとに、治療を行なうクリニックです。標準的な治療以外にサプリメント、天然ホルモンを用いた栄養療法、食事指導を重点的に行なっています。病気を根本から治療するのにあたって正確な診断が必要です。そのために当院では様々な方法をとっており、重篤な疾患の場合でもその根本原因に対する治療を行なっていきます。

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