登山コラム・登山時の栄養補給「炭水化物」

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登山時の栄養補給
「炭水化物」

こんにちは!管理栄養士の磯村です。
先日より富士登山での経験をもとに体のメンテナンスやコンディショニングについてお話していますが、今回は炭水化物による栄養補給についてお話します。

登山と炭水化物

登山は平地とは違う環境下での運動ですので、体への負担や消費カロリーも大きくなります。
富士登山(頂上まで)の消費カロリーは約4,000kcalともいわれ、フルマラソンの2倍近くに相当します。
びっくりするかもしれませんが、
登ってみて実感。「つらい・・・」と

このように登山をする上で重要なのは「エネルギー不足に陥らないこと」です。
つまり、登り続けるためのスタミナが必要ということ。
スタミナとして必要なのがエネルギー源となる「炭水化物」です。
炭水化物(糖質)は消化吸収の早い段階から使えるようになるので即効性のあるエネルギー源といわれています。

ちなみに炭水化物は大きく3種類に分けられそれぞれ吸収のスピードが異なります。

3つに分けられる炭水化物

単糖類
糖の分子が1つの糖類。ブドウ糖や果糖。
これ以上分解できないので、3種類の中でも最も吸収が早く、即効性のあるエネルギー源となります。
二糖類
糖の分子が2つくっついた糖類。ショ糖や乳糖。単糖類に比べると少しだけ消化に時間がかかります。
多糖類
糖の分子が3つ以上くっついた糖類。米や麦などの穀物や芋類に含まれるデンプン。単糖類に比べると分解に時間がかかるため消化が遅くなりますが、腹持ちが良い、という利点があります。

炭水化物を効率良く補給できる食品

素早くエネルギーを体に補給する場合はブドウ糖や黒糖、果物(ドライフルーツだと保存が楽です!)などの食材を摂り入れるとよいでしょう。
また、お米も優秀なエネルギー源のひとつで私の一押しです。

お米のデンプンは多糖類ですが、唾液に含まれる消化酵素によってどんどん分解されるので、お米を食べる時は良く噛んで唾液と混ぜ合わせることで、消化・吸収がスムーズに行われます。

おにぎりの利点は、様々な具を混ぜられるということ。
梅干しを入れることでクエン酸のパワーで元気が出ますし、ビタミンB1を含むたらこや海苔をトッピングすると、糖質をエネルギー源に変える過程がスムーズに進みます。
また、おかか(かつお)やツナ(まぐろ)、たらこにはナイアシンというビタミンが含まれていて、これも糖質をエネルギー源に変える過程で大切な役割を果たします。

いかがでしたか?
即効性のあるエネルギー源にはまず、炭水化物(糖質)
しっかりと補給して登山を満喫しましょう!
次回は、炭水化物の具体的なレシピをご紹介します。

著者プロフィール

磯村 優貴恵

管理栄養士・フードコーディネーター・薬膳インストラクター。ダイエット専門のサロンでの食事指導を経験後、料理人として3年間飲食店の厨房に立つ。現在は料理と器の相性を大切にし、美味しく、健康的な料理の開発や執筆に携わる。プロフィールを詳しく見る