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クエン酸は
疲労回復に効果がある?

ポイントは「TCAサイクル」

クエン酸といえば疲労回復、と言われるように、クエン酸の効果効能の中でよく知られているのが疲労の軽減や早期回復です。では、なぜ疲労回復に役立つのでしょうか。その秘密は「TCAサイクル」にあります。TCAサイクルとは、別名「クエン酸回路」とも言われており、体内でエネルギーを産生する際に必要で重要な回路となります。

体内に摂りいれられた栄養素の中でも炭水化物(糖質)は、ブドウ糖となり、その後酵素やビタミンなどの協力を得て、エネルギーを産生します。その際にクエン酸をはじめとした数種類の酸に変化し、またクエン酸に戻るというサイクルを形成します。これによってエネルギーが産生されるとともに、老廃物を体外に排泄させることが出来るのです。そしてこのTCAサイクルの火付け役とも言われる重要成分がクエン酸なのです。

例えば運動を続けていると、TCAサイクルの働きが低下することによってエネルギー産生も低下します。この状態がいわゆる「疲労」です。この状態を解決するためにクエン酸を十分に摂取することによってこのTCAサイクルがしっかりと活性化され、疲れにくい体作りや、疲労の早期回復へとつながるのです。スポーツドリンクの多くにクエン酸が含まれているのはこのためです。もちろんこのエネルギー産生が効率よく行われることがダイエットにも重要であるため、クエン酸とダイエットの関係にも注目が集まります。

「乳酸」は悪者か?

ひと昔前までは、「疲労物質の原因は乳酸が蓄積するためである」、といわれていましたが、研究が進められていくうちに、乳酸は疲労物質ではないことが分かってきました。運動をすると、体内のブドウ糖がエネルギー源として使われ、その燃えカスとして、焦性ブドウ糖が出来ます。これが筋肉に蓄積されると一部が乳酸に変化します。しかし、この乳酸は再び焦性ブドウ糖となり、アセチルCoA(アセチルコエンザイムエー)というエネルギー産生物質になることが出来るのです。

そしてクエン酸を十分に摂ることでTCAサイクルが活性化され、乳酸を再度エネルギーの素として使えるようになるのです。つまり乳酸が有効に活用されるにもクエン酸が不可欠ということになります。

また、クエン酸と一緒に糖分を摂ることで、筋肉中のエネルギー源である「グリコーゲン」の補充速度が増すことが証明されています。クエン酸入りドリンクの場合は、少し糖分を足すことや、もともとクエン酸と糖質を兼ね備えた果物などのクエン酸を含む食品を摂ることで、運動中や運動後、その他の疲労から効率よく回復する効果が期待できます。クエン酸の副作用についても報告されていませんので、こまめに摂取しておきたい栄養素の一つと言えます。

profile

渋谷DSクリニック 林博之院長

2005年にダイエット・部分痩せ専門クリニックとして渋谷DSクリニックを開院。 ダイエット専門医師としてダイエットにおけるあらゆる独自のノウハウを培ってきたパイオニア的存在。 ヒトが持つ本来の美しさを活かし、正しいダイエット方法を全ての人に伝える。的確なアドバイスが評判。

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