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機能性素材として誕生した
「オリゴ乳酸」
の開発秘話

もともとは抗がん剤の研究開発の過程で発見され、機能性素材として開発されたオリゴ乳酸ですが、原料として安定的に生産するためにはさまざまな困難があったのだそうです。ここではオリゴ乳酸の開発秘話についてうかがっていきます。
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オリゴ乳酸の効果を解明するために続いた研究と開発

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写真右が原料開発に携わった株式会社グラートの山口博社長。
30年以上前から2社が協力し合ってオリゴ乳酸製品を開発してきた。
開発当初は専門家たちが予想もしなかった、さまざまな効果が報告されて戸惑うことも

商品化を目指しているときに試験的に摂取してくれたモニターの声を集めてみると、こちらが想定していた作用以外にも、さまざまな効果を実感してくれた方々がいて、そのことがかえってわたしたちを混乱させました。正直に言うと、なぜそのような効能があったのか、その作用のメカニズムについてはまだ解明できていなかったからです。

ただどうしてそのような変化が生じるのか、科学的に説明できなければそれはエビデンスとは言えません。大学の研究機関や臨床試験の専門機関などで腸内環境改善のメカニズムや免疫細胞の活性化、血流改善効果、抗肥満効果などに関するデータを取り、専門誌への論文発表や学会での発表など、地道な活動も続けてきました。

新素材「オリゴ乳酸」を
知ってもらうことからスタート

グレイン松澤社長
近親者や社員なども長年オリゴ乳酸を愛用していると熱弁する、
グレインの松澤社長。
一度試してもらえればわかってくれる…
でも無名の成分であるオリゴ乳酸はなかなか受け入れてもらえなかった。

さまざまな臨床試験を繰り返してきた機能性成分であるとはいえ、開発したばかりの新素材であることからまったく無名で、消費者には認知度ゼロのオリゴ乳酸。最初はこの成分の特徴をどのように消費者のみなさんにお伝えすればよいか、とても悩みました。抗がん剤の研究過程から偶然見つかった成分であることを説明したとしても、誤解を招いてしまうのではないかという不安もありました。

オリゴ乳酸の認知度を広めていくために、各地で地道に説明会を開催したりしていました。また展示会などでのサンプリングやモニターに体験していただくなど、少しずつ知っていただく活動を重ねていきました。当時はインターネットもいまのようには普及していませんでしたから。

サプリメントとしてスタートさせた当初にすでに手ごたえをつかんでいましたが、協力してくれたモニターのみなさんからの意見や感想が寄せられるようになって、より確信をもつようになりました。このような活動を積み重ねていくうちに、徐々に口コミでオリゴ乳酸の良さが消費者のみなさんに広まっていくようになったのです。

天然由来のL型発酵乳酸から
安定的にオリゴ乳酸を作り出す技術を確立

オリゴ乳酸製造機械
これが世界でひとつしかないオリゴ乳酸を生産する機械。
まるで大きなフラスコのような独特のフォルムがうつくしい。
スイッチを押せばOKなのではなく、
熟練技術者の職人技が必要不可欠。

オリゴ乳酸の元となるL型発酵乳酸は、トウモロコシやサトウダイコンなどの糖分を乳酸菌で発酵させて得た液状のものなのですが、糖分の種類や季節要因、発酵の度合いなどさまざまな条件により、液体に含まれる乳酸の比率がロットによって性質が異なります。また加工する際の温度や湿度の影響を受けるため、工場内の湿度を一定に保つため通年で空調管理をしています。ただスイッチを押せば作り出せるというタイプの原料ではなく、製造のたびに微妙な調整を行える熟練技術者の職人技が必要になります。

時間と技術を必要とするオリゴ乳酸の生産量を増やして、健康食品を開発したいと考えていたわたしたちは、まず製造工程の見直しから着手することにしました。原料メーカーである株式会社グラートがオリゴ乳酸を開発した当初は、マントルヒーター(フラスコのような小さな容器)を使って製造していたため、大量生産ができなかったからです。

わたしたちは特許技術を持つ産業技術総合研究所に製造機械の開発を依頼、真空状態で水分を飛ばして乳酸を合成する製造設備の実用化に世界で初めて成功ました。オリゴ乳酸の製法特許を取得しているグラートにしか作れないオリゴ乳酸の生産量が増えたことによって、オリゴ乳酸製品の開発をスピードアップすることができたのです。

サプリ編集部取材メモ
じつはエネルギー源として再利用されている、疲労物質・乳酸。

「乳酸」と聞くと筋肉痛の原因物質ともいわれる乳酸を思い浮かべる人が多いと思いますが、じつはエネルギー源としても再利用されることがわかり、これまでの乳酸のイメージを大きく変えるきっかけとなりました。さらにオリゴ乳酸はある機能で最近「特許」を取得したといいます。それはあなたを若返らせてくれるかもしれない、すごい特許でした…。

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