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オリゴ乳酸の効果とその作用

オリゴ乳酸の効果とその作用

トウモロコシやテンサイなどの野菜に含まれる天然糖類を原料にした、多機能成分「オリゴ乳酸」についてご紹介しています。これまで乳酸は「疲労の原因」といわれてきましたが、近年の研究で疲労を回復に必要なエネルギー源だということが明らかになりました。ここでは、オリゴ乳酸がエネルギーとなる仕組みや腸内環境を改善して体内の善玉菌を増やす作用などについて、わかりやすく解説しています。オリゴ乳酸の効果効能や安全性に関する情報もまとめています。

効果
  • 血流を促進する 便秘を改善する
  • メタボの予防 動脈硬化の予防
  • 腸内環境の改善
お悩み
  • 免疫力の低下 不妊 代謝の低下
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オリゴ乳酸とはどのような成分か

オリゴ乳酸とは、トウモロコシやテンサイ(サトウダイコン)などの野菜に含まれる天然の糖類を乳酸菌で発酵させて抽出したL型発酵乳酸を原料にして、特殊な技術で縮合させ、粉末化した成分です。

抗がん剤の研究をする過程で偶然発見された成分で、30年以上も前から特定の疾患がある患者に対して提供されてきた経緯があります。

乳酸と聞くと、「疲労の原因となる物質」というイメージが強いと思いますが、近年の研究では疲労を回復するエネルギー源のひとつであることがわかってきています。[※1]

【乳酸に関する昔の研究情報】

  • ■糖をエネルギーとして利用したあとにできる老廃物
  • ■体に溜まると疲労の原因となる

【近年の研究で明らかになった情報】

  • ■糖を分解する際に生まれる物質
  • ■酵素のはたらきによってエネルギーに変換される
  • ■エネルギーに変換されなかった乳酸は、血流にのって肝臓へ移動する
  • ■乳酸は点滴(輸液)の中にも含まれている
  • ■肝臓に行きついた乳酸は糖に再合成されるため、エネルギーとして何度でも利用できる

オリゴ乳酸は、その名前からオリゴ糖や乳酸、乳酸菌と混同されがちです。それぞれの違いもわかりやすく説明していきます。

(1)オリゴ糖とオリゴ乳酸の違い

「オリゴ」とは、複数個の分子が結合している状態を意味します。

オリゴ糖は複数の糖が結合したもの(分子量は300~3000程度)ですが、オリゴ乳酸のオリゴは「オリゴマー」の略で、比較的少ない数の分子(3~22程度)が結合した成分、という違いがあります。

(2)乳酸とオリゴ乳酸の違い

  • 乳酸…炭素原子が結合してできた有機化合物
  • オリゴ乳酸…乳酸分子が複数個結合した成分

つまりオリゴ乳酸は、乳酸同士がつながることにより(注1)、通常の乳酸にはないはたらきをします。ただし、乳酸分子の数が多すぎると分解しづらく、体に吸収されにくい傾向があります。

(注1)乳酸同士をつなげる(縮合する)製法の製造特許は株式会社グラートが取得。

そのため、健康食品には、最も体に吸収されやすい構造のオリゴ乳酸(3~22個の乳酸分子を直鎖状に結合したもの)が使用されています。体に吸収された分だけ体内で利用され、余分なものはスムーズに体外へ排出されます。

(3)乳酸菌とオリゴ乳酸の違い

乳酸菌オリゴ乳酸
  • ・乳酸をつくる微生物
  • ・糖を食べたあとに乳酸を生み出す
  • ・胃酸で死滅する
  • ・腸内環境を整える
    (※ただし腸に住みつきにくい)
  • ・L型発酵乳酸を縮合したもの
  • ・分解・吸収されずに腸まで届く
  • ・善玉菌を増やすはたらきがある
  • ・腸内環境を整える

オリゴ乳酸は乳酸菌よりも腸に届きやすいのが特徴です。腸に届いたオリゴ乳酸は善玉菌の住みやすい環境を作り、乳酸菌(善玉菌の一種)を増やす役割も担っています。

腸内環境を整える効果が高く、健康維持に役立ちます。

オリゴ乳酸の効果・効能

オリゴ乳酸は、次のような症状・疾患を改善する効果が期待できます。[※2]

  • メタボリックシンドローム

    オリゴ乳酸はミトコンドリアの機能を高めて、肥満を防ぐ効果があります。臨床試験において血中の脂質量が有意に下がり、かつ、酸化ストレスも有意に抑制されることが確認されています。

  • 高血糖・糖尿病

    オリゴ乳酸を摂取すると血糖値の上昇が抑えられるため、高血糖や2型糖尿病の予防に有効です。

  • アレルギー

    オリゴ乳酸の免疫調整機能によって、アレルギー反応を引き起こす物質が分解されやすくなります。その作用により、花粉症や発疹などのアレルギー症状を抑える効果が期待されています。(改善)します。また、高血圧の原因となる酵素を阻害し、血圧を高めずに維持してくれます。

  • 免疫亢進

    腸の環境を改善させることにより免疫力機能が調整されることがわかっています。この作用により人が本来持っている病気や有毒な菌に対する抵抗力が向上、病にかかりにくいカラダを作り上げることに役立つと考えられています。

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どのような作用(作用機序・メカニズム)があるか

オリゴ乳酸には、善玉菌を増やして腸内環境を整えるはたらきがあるため、次のような作用が連鎖して起こります。

■腸内環境が改善することで期待できる作用と効果

  • ・栄養の吸収率が高まる→体の健康状態が保たれる
  • ・老廃物の排出が促される→便秘改善
  • ・ビタミンB群やポリアミンが増える→肌の新陳代謝が高まる
  • ・免疫細胞が元気になる→免疫調整能力が高まる

とくに注目すべきは免疫力の調整作用です。体内にある免疫細胞のうち、6割から7割は腸内に存在することがわかっています。したがって腸内環境が整えば、6~7割の免疫細胞が元気になります。元気になった免疫細胞は細菌やウイルス、悪性のがん細胞と闘い、感染症やがんの羅患リスクを下げてくれます。

また、オリゴ乳酸を摂取すると、細胞内小器官・ミトコンドリアの機能が高まることが推測されています。ミトコンドリアには酸素を取り込んでエネルギーをつくるはたらきがあるので、体温調節や脂肪燃焼などに役立ちます。結果、生活習慣病の改善につながるのです。[※3][※4][※5][※6]

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どのような人が摂るべきか、使うべきか

オリゴ乳酸は、腸内環境を整えたい人や免疫力を高めたい人におすすめです。とくに年齢を重ねると悪玉菌の割合が増えやすい傾向があり、体調不良や病気を発症するリスクが高まります。加齢により抵抗力や免疫力が弱まっていると実感している人は、定期的にオリゴ乳酸を摂取して腸内環境を整えておきましょう。

オリゴ乳酸の摂取目安量・上限摂取量

オリゴ乳酸には国が定める目安量や上限摂取量はありません。サプリメントや健康食品としてオリゴ乳酸を摂取する場合は、製品の用量用法を守って利用するのが良いでしょう。

オリゴ乳酸のエビデンス(科学的根拠)

医薬品および健康食品素材の研究開発を行っている株式会社GLART は、オリゴ乳酸の効果を証明する臨床試験を実施しています。[※5]

■血流改善効果

オリゴ乳酸の血流改善効果について、偽薬(プラセボ)との二重盲検試験を実施しています。比較試験の期間は3週間、20~64歳の健康な男女15名のうち8名にオリゴ乳酸、残りの7名には別の成分を摂取させて、末梢血管の血流量を測定しました。

オリゴ乳酸を1日300㎎を摂取させ、手足の指先の血流が増加しているかどうかをレーザー血流画像化装置を用いて測定したところ、血流量が有意に増加していたことがわかりました。とくに足の指先では1.5倍ほどに増加していた被験者もいました。この試験結果から、オリゴ乳酸には末梢血流の改善効果があると考えられています。

■便秘改善効果

オリゴ乳酸を使った便秘解消(便通改善)効果の比較試験です。20代の女性33名を対象に、低用量のオリゴ乳酸(1日300mg)、中用量のオリゴ乳酸(1日900mg)、偽薬(プラセボ)を摂取する3つのグループに分けて2週間経過を観察しました。

その結果、オリゴ乳酸を摂取していたグループの平均排便回数は、試験前に比べて増加。偽薬のグループは摂取前後で平均排便回数の改善がみられなかったことから、オリゴ乳酸を摂取すると便通が改善することが示されました。

また、オリゴ乳酸を300mg摂取したグループと900mg摂取したグループで排便回数に大きな差がみられなかったことから、オリゴ乳酸は300mg程度の摂取量で効果があると考えられます。

■抗肥満効果(ミトコンドリア機能亢進)

オリゴ乳酸のミトコンドリア機能向上作用による肥満予防効果を調べる試験です。ミトコンドリアは細胞内にあり、エネルギー生産を行っています。ミトコンドリアの機能が向上することは、体内の脂肪酸や糖が溜まらず、エネルギーに変わりやすくなるということです。

試験ではメタボ予備軍と診断された壮年期(55歳〜64歳)の日本人男性40名を対象に、オリゴ乳酸を摂取するグループと偽薬(プラセボ)を摂取するグループにランダムに分けて3か月連続摂取(1日300mg)する比較検査を行いました。

その結果、オリゴ乳酸を摂取したグループは偽薬を摂取していたグループに比べて酸化ストレスが減少し、メタボによっても引き起こされる動脈硬化指数が低下。さらに、善玉コレステロールの増加がみられ、血中コレステロール値が改善しました。

このことから、オリゴ乳酸にはミトコンドリアの機能を高めてメタボリック症候群を改善するはたらきが期待できるとしています。

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研究のきっかけ(歴史・背景)

抗がん剤の研究過程でがん細胞を培養していた際、がん細胞を死滅させる因子が見つかり、その正体がL型乳酸を縮合した化合物であることが判明しました。

オリゴ乳酸の研究が本格的に始まったのは1992年頃。オリゴ乳酸には腸内環境を整える力があり、腸内環境が整えられると免疫機能の向上、血流改善などの効果が得られることがわかりました。そのためメタボリックシンドロームやアレルギー疾患の症状改善などに利用できる可能性が示唆されています。[※7]

また最新の研究では、腸内環境を整え免疫機能を調整する効果のほかに、細胞内でエネルギー生産を行うミトコンドリアのはたらきを向上させる効果も確認されています。[※5]ミトコンドリアの亢進作用については開発企業が特許も取得しているため、メタボ対策やアンチエイジングの分野で今後さらに注目される成分となるはずです。

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専門家の見解(監修者のコメント)

東京薬科大学で薬学博士号と医学博士号を取得したのち、未病(病気を発症する前の状態)にアプローチする医療の研究を続けている田口茂博士は、腸内環境を整えるオリゴ乳酸について次のように解説しています。

「最も興味を惹かれたのは、『腸内の乳酸菌を増やす』ということです」

「最近、『腸内フローラ』という言葉をよく耳にするようになりました。これは腸に棲んでいる善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスをお花に見立てたものです」

「この3つの菌群がバランス良く分布しているかどうかが問題であり、理想的な割合は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割となります」

(『HEALTY&BEAUTY vol.2』より引用)[※8]

田口博士のお話の中にある、善玉菌、悪玉菌、日和見菌とは以下の腸内細菌のことです。

  • ・善玉菌…消化吸収を助け、免疫力を高める菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)
  • ・悪玉菌…ガスや発がん物質をつくりだす菌(ブドウ菌や有毒株の大腸菌など)
  • ・日和見菌…善玉菌と悪玉菌のうち多いほうに味方する菌(バクテロイデスや無毒株の大腸菌など)

善玉菌は年齢とともに減少するため、体外から摂取して腸内のバランスを保ち続けましょう。オリゴ乳酸菌を摂取して善玉菌を増やせば、日和見菌を味方につけられ、腸内環境を良好に保てます。

さらに田口博士は、腸内環境を整えることの重要性やミトコンドリアを活性化するオリゴ乳酸のはたらきについても解説しています。

「腸には免疫細胞の約6割が集中しているといわれています。腸内環境が整っていれば、こうした免疫機能も正常に働き、外敵であるウイルスが侵入してきても悪さをさせないというわけです」

「細胞内のミトコンドリア機能を活性化することで、脂質代謝以外にも、血糖値にかかわる糖質代謝、血圧ほかを改善し、メタボリックシンドロームの改善あるいは肥満予防にもオリゴ乳酸が活躍するということになります。その結果、腸内環境さらには腸管免疫が元気になり、病気になりにくいということです」

(『HEALTY&BEAUTY vol.2』より引用)[※8]

免疫細胞が集中している腸内環境を良好に保ち、免疫機能を正常にはたらかせることで、感染症や病気の発症リスクを抑えられます。

また、オリゴ乳酸がミトコンドリアを活性化するとエネルギーがつくられて脂質や糖質の代謝が促進されます。オリゴ乳酸のはたらきを上手に利用して、病気になりにくい体をつくっていきましょう。

オリゴ乳酸を上手に摂取するには

オリゴ乳酸は主にサプリメントに配合されています。本来の乳酸は液体なのですが、それを粉状にする技術が開発され、健康食品への添加が容易になりました。

サプリメントは錠剤や粉、カプセルなどさまざまな形状があります。飲みやすい・続けやすいものを選んで購入するとよいでしょう。

synergy相乗効果を発揮する成分

オリゴ乳酸はニシギキ科サラシア属の植物と併用することで、抗肥満効果を得られるという研究があります。

さらに、オリゴ乳酸とサラシア属植物を使った抗肥満薬は従来の合成医薬品よりも安全性が高く、十分な効果を得られることがわかっています。[※10]

オリゴ乳酸の副作用

オリゴ乳酸を摂取することによる副作用は確認されていません。サプリメントの用法・用量の守れば副作用の心配はないと考えられますが、体質に合わない人もまれにいるようですので、不調を感じたらすぐに摂取をやめましょう。

また乳幼児や妊娠中のかた、授乳をしているかたは念のため摂取を避けるようにしてください。

この記事の監修者
田口茂先生
医学・薬学博士 田口茂先生 監修

東京薬科大学大学院修了後、自身が手掛ける研究を続けるために留学。帰国後1981年に東京薬科大学にて博士号を取得したのち、2002年に東京医科大学にて医学博士を取得。乳酸研究のほか、さまざまな機能性成分の研究を続けています。

参照・引用サイトおよび文献

  1. ※1公益財団法人長寿科学振興財団「乳酸とは」
  2. ※2健康美容EXPO「オリゴ乳酸(ラック)」
  3. ※3健常女性を対象としたオリゴ乳酸(LAC)摂取による便通改善効果の二重盲検比較法で行った用量設定試験」(機能性食品と薬理栄養 No.5 Vol.6 2011年)
  4. ※4「オリゴ乳酸(LAC)の健常日本人女性における日本語版便秘評価尺度を用いた便秘評価の試用アンケート調査試験」(機能性食品と薬理栄養 No.6 Vol.6 2011年)
  5. ※5『健康美容素材エビデンスカタログ 2016年版』(有限会社太陽エージェンシー 2016年11月発売 p2-p28)
  6. ※6『健康美容素材エビデンスデータファイル 2012年度版』(健康情報ビジネス出版(株) p1-16)
  7. ※7健康ジャーナルweb「希有の機能性素材『オリゴ乳酸[LAC]』豊富なエビデンスデータ揃え機能性証明−−−GLART」
  8. ※8『HEALTY&BEAUTY vol.2』(星雲社 2016年2月 p16-19)