ヒアルロン酸の科学的な根拠とは?
ヒアルロン酸は、高い保水能力がある成分として知られており、1gで6リットル(500mlのペットボトル12本分)の水分を保持することができます。
ヒアルロン酸は、ヒトの目や皮膚、関節、脳、動脈など体内のいたる所に存在しており、特に皮膚に多く存在し、全身に含まれる量のおよそ50%を占めていると言われています。保水能力が高いヒアルロン酸には、主に次のような働きがあると報告されています。
ドライアイへの作用
ドライアイとは、涙の不足などが原因で目が乾燥してしまい、目の痛み・まぶしさ・目の疲れなどの不快感を生じる状態のことを言います。
このような目の乾燥を解消する成分としてヒアルロン酸が注目を集めています。眼科でもドライアイの人に処方されるのが「ヒアルロン酸点眼薬」です。市販されている点眼薬にもヒアルロン酸を主成分としてではなく添加物として配合しているものが増えています。
肌の保湿作用や関節の保護作用
ヒアルロン酸の高い保水能力が、肌の潤いにも効果的であることが報告されています。肌の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層から成り立っていますが、ヒアルロン酸の働きによってハリと弾力のある肌をつくり出します。
つまり、きめ細かく弾力のある肌や乾燥のない肌にはヒアルロン酸が不可欠なのです。このヒアルロン酸は加齢とともに減少します。また、ヒアルロン酸には関節にも服待てれています。そのためヒアルロン酸は、加齢などでヒアルロン酸が減少した関節の動きを滑らかにし、膝などの関節痛にも効果を発揮することが期待されているのです。
ひざ関節症の患者さんは病院でヒアルロン酸注射を勧められることもあります。
ヒアルロン酸の
肌の機能性に関する研究
現在ヒアルロン酸の含まれる機能性表示食品の多くが「肌の水分を保持する」「肌の乾燥を緩和する」といった表示が記載されているものになっています。
その根拠となる研究レビューの一つに「乾燥肌に悩んでいる人がヒアルロン酸Naを1日に120mg摂取することで、約3週間の摂取で潤いが維持される」というものがあります。この調査は乾燥肌に悩む37~59歳の男女39名をヒアルロン酸Na摂取群とプラセボ群に分け二重盲検摂取試験を行い、頬の皮膚の水分量を調査するというものです(1)。
このような肌に関するヒアルロン酸の機能性研究によれば、ヒアルロン酸Naを摂取した方では、特に目の部分の角層水分量が有意に高値を示し、肌のたるみや、目尻のしわに悩む成人に対しても肌の角質層の水分量が有意に増加した結果が得られることが報告されています。
これらエビデンスにより、ヒアルロン酸Naには、肌の乾燥を緩和させる働きがあると認められ、その摂取量は1日あたり120mgにおいて、その機能性があると検証されているのです。
上記のように、ヒアルロン酸の「高い保水能力」に多くの注目が集まり、その機能性に関する研究が、多分野で実施されています。現在では、飲料水・食品・点眼・化粧品など、私たちの身近な日用品にも応用されています。
- 参考文献
- (1):Aesthetic Dermatology,vol.17,pp.33-39.2007
- 消費者庁機能性食品届出データベース
- キューピー株式会社
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