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アラキドン酸と粉ミルクの関係は?

アラキドン酸とベビーミルク(粉ミルク)

授乳期の赤ちゃんにアラキドン酸やDHAを与えることが、知能や運動能力へ効果的に働くかどうかを調べる臨床試験が行われています。生後5日以内の赤ちゃん56人をA・B・Cの3つのグループにわけ、普通のベビーミルクを与えるAグループ、DHAを配合したベビーミルクを与えるBグループ、DHAとアラキドン酸を配合したベビーミルクを与えるCグループとし、それぞれのグループの赤ちゃんにそれぞれのミルクを生後17週目まで与えました。それから時間を置き18カ月後に総合的な知能や運動量を比較しました。すると歩行、ジャンプ、お絵描きなどの神経運動発達指標において、有意ではありませんが、Cグループの値は高い傾向が観察され、記憶、言語能力といった精神発達指標において、CグループはAグループより有意に高い値である結果が得られたのです。


http://health.suntory.co.jp/omega/library/omega6/
出典:サントリーへルス「授乳期の赤ちゃんにARA(アラキドン酸)やDHAを与え、知能や運動能力への効果を調べた臨床試験」

特に米国の臨床栄養学の専門家であるスーザン・カールソン博士など多くの研究によって、アラキドン酸を摂取することで赤ちゃんの精神面での成長、学習や学力の向上が期待できることが報告されており、アメリカではアラキドン酸を配合したベビーミルクが主流になっています。もちろんアメリカのFDA(米国食品医薬品局)も乳児に対するアラキドン酸の安全性を認めています。
赤ちゃんにとって母乳や粉ミルクは唯一の栄養源であるにもかかわらず、赤ちゃんの体内ではアラキドン酸がまだ十分には作られません。しかし、そもそも母乳にはアラキドン酸もDHAも含まれています。牛乳を原料とするベビーミルクや粉ミルクにはこれらの成分が含まれていなかったので、より母乳に近づけるためにもベビーミルクや粉ミルクにアラキドン酸を配合することが重視されるようになったのです。

2007年にはコーデックス委員会と世界保健機関によりベビーミルクにDHAを配合する場合、同量以上のアラキドン酸の配合を推奨することも合意され、国際的にその有用性が認められるようになっています。日本でも2009年よりアラキドン酸配合の粉ミルクが市販されるようになりました。

profile

篠原菊紀先生

諏訪東京理科大共通教育センター教授 篠原菊紀先生

東京大学大学院等を経て、現在、諏訪東京理科大共通教育センター教授。専門は脳神経科学、応用健康科学。茅野市縄文ふるさと大使。多チャンネルNIRSなどを使って、「学習しているとき」「運動しているとき」「遊んでいるとき」など日常的な場面での脳活動を調べている。NHK「あさいち」「ためしてガッテン」「夏休み子ども科学電話相談」「歌の日曜散歩」、日テレ「所さんの目がテン」、TBS「カラダのキモチ」、フジテレビ「とくダネ」、テレ東「L4you」などで実験や解説。「脳活johnny問題集」(扶桑社)、「いきいき脳トレ体操」「中高年のための脳トレーニング」 (NHK出版)、「60才からのボケないための脳力テスト」(永岡書店)、 「子どもが勉強好きになる子育て」(フォレスト出版)、「脳は、あなたにウソをつく!」(KAWADE夢新書)、「しなやか脳でストレスを消す技術」(幻冬舎)、「頭がスッキリ!ひらめきクイズ」(辰巳出版)、他、著書、監修多数。

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