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カルシウムの摂取で
考えられる副作用とは?

カルシウムの過剰摂取による副作用

カルシウムは通常の食事をしている分には過剰摂取になることはほとんどありません。むしろカルシウム不足の方が問題です(カルシウム不足について)。また、カルシウムのみを多く摂っても過剰に吸収されることはありません。カルシウムが体内に過剰に吸収されるためには、血中のカルシウム濃度を調節しているビタミンDの過剰摂取によって高カルシウム血症になることがあります(カルシウムとビタミンD)。

ビタミンDは1日の摂取量が500μgを長期間続けることで毒性が現れることが報告されています。その症状としては下痢や脱水のほか、血管壁、肺、腎臓、胃などにカルシウムが沈着することなどです。カルシウムを耐容上限量である2,300mg/日以上の摂取に至りやすい原因としては、サプリメントやカルシウム剤の服用が挙げられます。カルシウムを過剰摂取した場合には高血圧や動脈硬化、腎臓障害、泌尿器系の結石などの他、鉄、マグネシウム、亜鉛などの吸収を妨げることがありますから注意が必要です。

カルシウムは摂り続けることが大切

成長期の子供の骨は急激に成長し、体積が増えるという特徴があります。しかし、普段からカルシウム摂取が不十分だと骨が成長しても中身のカルシウムが不足しているため、スカスカでもろい骨となってしまい、骨折しやすい原因にもなります。また、血液や細胞に含まれているカルシウムの濃度は一定に保たれているため、カルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶かしだされ、これによってさらに骨量が減少してしまいます(カルシウムと骨粗しょう症)。

骨量の減少を抑え、骨密度の高い丈夫な骨を作るためには、一時的にカルシウムを摂るのではなく、長期間にわたってカルシウムを摂取し続けることが大切です!またカルシウムは食品によって吸収率が異なりますので、何をどう食べるかも大切です(カルシウムの吸収率)。

子どものころからカルシウムをしっかり摂ることで最大骨量を増やし、将来、骨粗鬆症になりにくい骨作りが出来るのです。丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけでなく、骨の土台となっている良質なたんぱく質、骨の質を高める各種ビタミン(特に体内のカルシウム濃度を調節するビタミンD)、マグネシウム、リン、亜鉛などのミネラルをしっかり摂取し、適度な運動によって骨に刺激を与えることも忘れないようにしましょう!

profile

ナチュラルクリニック代々木 佐野正行 先生

豊橋市民病院や名古屋大学医学部付属病院 腫瘍外科(第一外科)、国立がん研究センター中央病院 外科などで、3000人以上の消化器系の疾患(主に腫瘍)の患者さんに対して、外科医として治療に携わってきました。 現在は、ナチュラルクリニック代々木で、サプリメントを併用した食生活改善の指導を行っています。

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