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マリーゴールドの効果とその作用

近年、パソコンなどのブルーライトや紫外線による眼への影響で、マリーゴールドに含まれる有効成分「ルテイン」に注目が集まっています。文明も発達していない古代から生活の中で活用されてきたマリーゴールドには、そのほかにもカラダに良い作用がたくさんあります。これから、どのような効果・効能があり、どのように作用するのか、副作用の心配はないか、説明していきましょう。

マリーゴールドとはどのような成分か

黄色やオレンジ色の鮮やかな花を咲かせるマリーゴールド。医療用と観賞用があり、医療用はハーブとしても使う「ポットマリーゴールド(キンセンカ属)」という種類です。観賞用には「フレンチ・アフリカンマリーゴールド(マンジュギク属)」という種類があります。

薬草として優れた効果・効能があり、古代エジプト時代は若返りの妙薬[※1]とされ、ヨーロッパの移動型民族には、万能薬として利用されてきました。

マリーゴールドの鮮やかな花弁には、カロテノイドの一種である「ルテイン」が豊富に含まれ、白内障や黄斑変性症を予防する効果など眼に対して効果が期待されています。

また、フラボノイド類は抗炎症作用や口臭予防、そのほかには腸の病気や肝臓障害に対して作用があるとされています。ほかにも苦味質や精油も含まれます。[※2]

マリーゴールドの効果・効能

マリーゴールドに次のような効果・効能があるといわれています。[※3]

■新陳代謝促進効果

日頃のストレスや疲れによって、体に溜まった老廃物や毒素を排出することで体内を浄化します。新陳代謝が促進することでスッキリとし、より活動量を上げる効果へとつながります。

■むくみ改善効果

利尿作用により、体内の血流とリンパの滞りを改善し、「むくみ」を解消します。

■風邪治癒効果

ハーブティーの発汗作用により発汗を促し、汗が気化することで、体温を調整します。風邪やインフルエンザの解熱にも効果があるとされています。

■女性特有のトラブル防止効果

月経前症候群(PMS)の症状の重さは人により異なりますが、女性ホルモンの影響が大きいとされています。

マリーゴールドからの抽出成分にはホルモン様作用があり、PMSや月経、更年期障害の症状を緩和する効果が期待できます。ハーブティーなどで飲まれることが多くあります。

■眼の健康予防効果

現代社会では切っても切り離せないOA機器(パソコン、タブレット、スマホ)。人によっては、1日のほとんどをOA機器の画面を見て作業こともあるでしょう。画面から発しているブルーライトや紫外線は、眼に悪影響を与えると話題になり、さまざまな対策がなされています。

マリーゴールドに含まれているカロテノイドの「ルテイン」は、これらから眼球を保護する働き[※2]があります。また、白内障や黄斑変性症を予防する効果も期待されています。

■口臭予防

含まれているフラボノイドが口臭予防[※4]に役立ちます。

どのような作用(作用機序・メカニズム)があるか

抗酸化作用のあるカロテノイド、活性成分であるトリテルペンの強い抗炎症作用について、1997年にオーストラリアで研究した結果、体の各部の皮膚にできた炎症を45~73%まで鎮静化させた報告があります。

また、イギリスで行われた水溶性エキスの研究では、微細胞血管が増加し、接合組織の修復・成長を促進させたことが報告されています。これにより、健康体の被験者の傷の快復度(5名対象)の回復期間を16%(3~4日)早めたことが明らかになりました。[※5]このことから、マリーゴールドエキス・オイルは、肌トラブルにおいての効果が期待できます。

マリーゴールドのハーブティーには前項以外にも、粘膜を保護する作用で胃痛、胃酸過多への効果があります。苦味成分には胆汁の分泌を助ける作用があるため肝機能の活性化につながります。[※3][※6]

近年、増え続けていると言われている、白内障や緑内障などの眼病の一種で「加齢性黄斑変性症」(網膜中心部の黄斑機能低下)という疾病があります。進行してしまうと失明に至る注意が必要な病気であり、現在、日本では、患者数が急増しています。

原因は、食生活の変化と言われ、緑黄色野菜に豊富に含まれるカロテンの摂取不足などがひとつの原因とされます。生活のなかで眼はさまざまな有害光線にさらされ、負担を受けています。カロテンの摂取により、体内の活性酸素の働きを抑制し、酸化を抑えてくれる可能性があります。

水晶体の酸化が進めば白内障、網膜では加齢性黄斑変性症を引き起こす原因となります。[※7]

抗酸化作用や眼に対する効果で知られているカロテノイドの一種「ルテイン」は、活性酸素による酸化などを抑制し、高齢者の失明原因である加齢性黄斑変性症の予防改善効果が期待されます。

ほかに含まれている成分として、「植物ステロール」があります。植物ステロールは、小腸内腔でコレステロールの吸収を阻害し、血中のコレステロール濃度を低下させる作用を示すことが知られています。

本来は、水・油にも溶けにくい性質でしたが、研究開発により油への親和性を高め、その結果、植物ステロールを添加した食用油などが特定保健用食品として許可[※8]されることになりました。

マリーゴールドにも、このような成分が含まれていることを考えると、今後の研究によりいろいろな可能性が広がると考えられるでしょう。

どのような人が摂るべきか、使うべきか

日本では観賞用のマリーゴールドが一般的ですが、ハーブティーやオイルを利用した効果が解明されてきています。

日常生活のなかで長時間パソコンなどのOA機器での作業がある人、乾燥肌や髪の毛の艶を改善したい、むくみや代謝機能低下が気になる人などには試していただきたい成分です。

むくみや代謝機能低下は、運動不足も要因となりますが、加齢とともに起こる現象でもあります。代謝が低下することで、身体機能に支障をきたし、病気の原因を誘発することもあります。

こうした代謝機能の低下に対しても、手軽に摂取できるマリーゴールドのハーブティーは、手軽に摂ることができます。

日常運動不足を感じる人、運動をする機会が少ない人などにも積極的に活用することをおすすめします。

自然化粧品などを販売しているところでは、マリーゴールドのエキスやオイルを使った商品があります。肌の調子や髪の毛の艶など気になる人は、一度、使用してみると良いでしょう。

OA機器やスマホで眼を酷使するシーンがますます増えていくと思います。眼は大切な器官ですので、疲れや目のかすみなどを感じたときには、サプリメントを使用する、作業の合間にはハーブティーを飲むなど、日々の生活から予防を心がけましょう。

マリーゴールドの摂取目安量・上限摂取量

マリーゴールドとしての摂取量の設定はありません。しかし、キク科の植物であることから、アレルギーなどにおいては注意が必要です。

ルテインについての摂取目安量については、日本には規定がありませんがアメリカでは以下の報告があります。

目の健康に貢献する量としては、1日あたり6mgか10mgといわれています。6mgはアメリカのセダン博士の研究、10mgはユタ大学のバーンスタイン博士らの研究によるデータで算出したものです。

マリーゴールドのエビデンス(科学的根拠)

眼に対する効果で知られているカロテノイドの一種で抗酸化作用のある「ルテイン」。マリーゴールドには豊富に含まれています。

ルテインには「フリー体ルテイン」「エステル体ルテイン」の2種類があり、フリー体ルテインは、体内に存在するルテインと同じ形に精製されたもの、エステル体ルテインはフリー体に脂肪酸が結合されたもの[※9]です。

2002年のBowenらのデータでは、エステル体で摂取したほうがフリー体よりも血中ルテイン濃度が61.6%高いことがわかっています。さらに、エステル体で摂取したほうが、血中への移行性も高いことが示唆されました。

オリザ油化株式会社がフリー体とエステル体の臨床試験・動物試験を行い実証しています。

動物試験では、エステル体投与後2時間で最大血中濃度57.4nmol/l、フリー体投与後6時間で最大血中濃度26.3nmol/lになりました。差が有意に出ていることがわかります。

ヒト試験では、エステル体で摂取することでフリー体よりも5.8倍の血中エステル濃度で血中への移行率が高いことを示し、その後の長時間血中に存在することも明らかになりました。[※10]

これらから、加齢とともに産生が減少するルテインへの対応は、エステル体ルテインを摂取することが効果的であることがわかります。

サプリメントを購入する際は、含有されているルテインの種類を確認し、購入することをおすすめします。

研究のきっかけ(歴史・背景)

マリーゴールドの歴史は古くギリシャでは「若返りの妙薬」、ほかには、乾燥した花弁を使って、料理の飾りや味、色つけなど、サフランの代わりとして花や葉が使われていました。

ヨーロッパでは万能薬として広まり、虫刺されや火傷に利用され、サフランの代用品として着料用としても活用さていました。

日本では、観賞用として一般的ですが、ヨーロッパでは現在でもハーブやエディブル・フラワー(食用花)として親しまれています。

また、コミッションE(薬用植物を医薬品として利用する場合の効果・安全性の評価委員会)でも、マリーゴールドの効果は承認されています。

眼の健康に対する関心の世界的な高まりにより、マリーゴールドの有効成分である、ルテインの研究が活発に進められています。

専門家の見解(監修者のコメント)

マリーゴールドに豊富に含まれ加齢性黄斑変性症にも効果がある「ルテイン」について専門家の見解をまとめます。

わかさ生活研究所と慶応義塾大学医学部眼科科学教室 坪田一男教授・小澤洋子講師との共同研究に、「ルテインが神経細胞において抗酸化タンパク質の量を増やし、活性酸素を抑制する」ことをテーマにした研究があります。

「神経細胞にルテインを添加することで、ルテインを添加していない細胞に比べ、体内での抗酸化作用を発揮するために必要な遺伝子およびタンパク質の量が増えました。また、ルテインを添加すると、細胞内の活性酸素量が減りました」

「病気の原因となる抗酸化タンパク質の欠如を予防し、ルテインによる眼疾患の予防範囲が広がる可能性を示された」(わかさ生活 「ルテインが神経細胞において抗酸化タンパク質の量を増やし、活性酸素を抑制する」より引用)[※11]

この研究により、よりルテインの活性酸素抑制効果への期待が高まり、生活習慣病の予防やほかの疾病予防への作用にも注目が集まっています。

マリーゴールドの活用法

日焼けの治療

ポットマリーゴールドで作ったお茶を冷まし患部に塗ります。

赤ちゃんの肌ケア

赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。ポットマリーゴールドは、おむつかぶれや汗疹などによく効きます。ポットマリーゴールド水を使って患部を綺麗に拭きましょう。

また、赤ちゃんの肌を保護するということでは、薬局で購入できるクリームを使用することもいいでしょう。

痰を切る

口洗浄液のように口をゆすいだり、うがい薬のようにして使ったりしましょう。[※12]

ほかにも肌や髪の毛に塗ることで、潤いを与えることができるといわれています。

一緒に摂るべき成分

マリーゴールドに含まれるルテインは、単体で摂取するよりは、ほかのカロテノイドとの混合物で摂取するほうが効果を発揮します。

ビルベリー、ゼアキサンチン(パプリカ、ほうれん草、パパイヤ、マンゴー)などに含まれるアントシアニンが、ルテインを体のすみずみまで運ぶ役割をします。[※13]

マリーゴールドに副作用はあるのか

マリーゴールドはキク科の植物のため、キクアレルギーのあるかたは注意が必要です。

女性ホルモン様作用により子宮収縮作用があるため[※14]、念のため妊娠中・妊活中などは使用を控えるようにし、使用したい場合は、医師に相談した上で使用することがお勧めです。

マリーゴールドの色素の成分により、みかんを食べたときのような「柑皮症」の報告がありますが、摂取を止めたら元に戻ることから心配はないでしょう。