糖尿病の予防やダイエットに効果的な成分として注目されるイヌリン。意外に間違っていることも多いイヌリンの情報。イヌリンの基礎知識や効果・効能をじっくり解説いたします。
イヌリンはキクイモ、ゴボウなどの植物によってつくられる天然成分です。でんぷんや砂糖と同じ糖質の仲間ですが、人間の持っている消化酵素はイヌリンを分解することができないため、体内に吸収されることがほとんどなく、体外へ排出されます。そのためイヌリンは水溶性の食物繊維に分類されます。イヌリンは食物繊維の中でも血糖値を下げる効果などが優れているといわれており、注目されている成分です。
イヌリンは一緒に摂った糖質の吸収を抑える働きをします。そのため食後の急速な血糖値の上昇を抑えインスリンの作用を穏やかにし、糖尿病発症のリスクを下げてくれます。また、イヌリンは腸が収縮する蠕動運動を促し便秘の解消を助けます。さらに腸内で発酵分解され善玉菌のエサになるオリゴ糖になり、腸内環境を整えてくれる効果も報告されています。
イヌリンはさまざまなダイエット食品にも使用されていて、ダイエットに有効とされる成分です。イヌリンには糖質などの栄養の吸収を抑制させる働きがあるため、体内で脂肪が蓄積されるのを防ぎ、さらに代謝を上げる効果も期待されています。ダイエットの大敵である便秘の解消や、食事の満腹感をアップさせる働きもあるとされ、理想的な体づくりのサポートに役立ってくれるといわれています。
イヌリンはもともと自然由来のものなので安全性は高く、副作用の心配はほとんどありません。ただし、長期間にわたる継続的な摂取には注意が必要です。食事の吸収率が下がるので、妊娠・授乳中の方や、激しい運動をする方などは使用を控えたほうがよいでしょう。過剰摂取をすると腸内でガスが溜まったり、下痢症状が起こったりする恐れもあります。まれにアレルギー反応が起こる可能性もあるので注意が必要です。