鳥居泌尿器科・内科 鳥居 伸一郎先生

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人間は複雑系 統合的に診る力が必要

鳥居泌尿器科・内科 鳥居 伸一郎先生

経歴

1981年、慈恵医大卒業。1983年、科学技術庁(現独立行政法人)放射線医学総合研究所にて画像診断研究をし、MRI造影剤による腎機能検査の研究で医学博士を取得。1992年、横浜市金沢区に鳥居泌尿器科・内科開業。2002年、IX湘南代替医療研究所イクス設立。2006年、横浜市中央区に「相生23クリニック」開業。2009年、横浜市磯子区に「ねぎし泌尿器科・内科」開業。2013年、横浜市西区に「スカイビル腎・泌尿器科クリニック」開業。

インタビュー

最寄り駅から近いビルの1階で土日も診療してくれる「鳥居泌尿器科・内科」の鳥居伸一郎院長。専門の泌尿器の相談だけでなく、内科や代替医療を用いた統合医療、アンチエイジング医療など患者さん一人ひとりに応じた治療や指導を行う。身近な内科や泌尿器科から全身の健康状態をアドバイスすることこそ地域医療のニーズであると語る。

先生は書物や講演等で医療との付き合い方についてお話されていますが
現状の医療が抱える問題点はどんなところにあるのでしょうか。

いまは検査技術も医療機器も進化し、ほんの小さな異常でも見つけ出すことが可能になっています。そのため「どこまで治すべきか」「何を使って治すべきか」「本当に治す必要があるのか」そういったことが逆に見えにくくなっていることが最大の問題です。早期発見・早期治療ができるようなりましたが、一方で次々に治療がなされることによって、逆に体調を悪化させることや別の新しい病気を発症させてしまうこともあるのです。中高年以降になれば小さな不調は誰でも多少は抱えるものです。しかし検査のたびに異常と診断されどんどん薬や治療が増えるのは過剰な医療といえるでしょう。

そこで先生は「ちょうどいい医療」を提案されているのですね。

当たり前ですが一人ひとりで体は違っていますから、ちょうどいい医療も一人ひとり異なります。年齢、性別、気質、生活習慣などが異なれば薬の効き方も違うし、どんな薬や治療法をどの程度使うべきか、人によって異なります。例えば「頻尿」という症状ひとつにしても、「脳が頻尿と思っているのか」「膀胱が頻尿を起こしているのか」によって処方やアプローチを変える必要があります。

人間の体は複雑で、数値に現れない症状もあるのです。コレステロールだって、食事制限や運動で数値が改善する人もいれば、それだけでは正常値まで下がらない人もいるのです。後者のタイプには薬による治療が必要です。いずれにせよ数値だけで病気を診るのではなく解剖学、生理学、薬理学を一つのパッケージで診ないとその方に「ちょうどいい医療」は提供できないのです。

人間を複雑系で捉えてこその統合医療、補完代替医療ということですね。

例えばアロマセラピーによる認知症のケアが話題になっていますが、認知症に限らず多くのアロマセラピストは「○○という症状には○○の精油」という見方で終わってしまっています。これでは西洋薬の処方と変わりません。病名から精油を利用するのではなく、人体を複雑系として捉え、薬理学や認知行動療法を理解した上で適宜組み込んでいくのがベストなのです。漢方や鍼灸、分子栄養学やアロマセラピー、音楽療法といった幅広い療法を許容し統合しながら患者さんにベストマッチする治療を提供する必要があるのは人間の体が極めて複雑だからです。臓器だけでなく脳や自律神経系、内分泌系のことも理解するといろいろな療法に対する包容さが生まれます。

先生の提案する統合医療について患者さんからはどのような反響がありますか?

多くの患者さんは納得してくれています。検査数値が少しくらい異常であっても、完璧に治す必要があるとは限りません。無理に治療したり過剰に薬を服用することで逆に体調を崩すこともあるのです。

人間の体には「ホメオスタシス」という機能が備わっています。生物が一定の状態を保とうとする性質です。体温や血圧、体重など「ちょうどいいところ」は一人ひとり異なります。薬で血糖値や血圧を急激に下げても不思議なもので自然と元の状態に戻ろうとする力が働くのです。健康になることを諦めろというのではなく自分の体質を見極めた健康管理が必要です。

最後に患者さんや読者へメッセージをお願いします。

人間の体は本当に複雑で、統計学的な西洋医学だけで割り切れません。脳内伝達物質、自律神経系、内分泌系、心理作用の働きなども理解し、さらに水分や糖代謝、タンパク質や脂質の代謝まで合わせて考えると、人そのものを診るホリスティック医療が必要なことは自ずとわかります。昔の開業医はそういった感覚で診療していましたが最近は減ってしまったようです。皆さんが「ちょうどいい医療」を受けるためには「ちょうどいい医師選び」も不可欠です。また薬ありきではなく、まずは自分でできることをしてみることも大切です。当院ではさまざまな選択肢を用意することで、患者さんの多様なニーズに応えられるよう努力していますし、私自身全身を診る医療にこだわり続けたいと思っています。

基本情報


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  • 所属医療法人社団 湘南太陽会
    鳥居泌尿器科・内科
  • 所在地横浜市金沢区釜利谷東2-21-22
    クリニックビル別館
  • 最寄り駅金沢文庫駅
  • TEL045-784-2002
  • ホームページhttp://www.shonan-taiyo.com/

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