ハートフルクリニック 平良茂先生

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病名ではなく病態に合わせた オーダーメイド治療を提供

ハートフルクリニック 院長 平良 茂

経歴

1964年沖縄県那覇市に生まれる。1989年、琉球大学医学部医学科卒業。琉球大学医学部附属病院で循環器内科医師として勤務。1995年、医療法人白寿会理事長、ハートフルクリニック院長に就任し、現在に至る。

インタビュー

優しく穏やかな口調ながらも、多くの人を救いたいという熱い想いを語ってくれた平良先生。食事指導、点滴、サプリメント等を用いた治療法に加え特殊検査による病態診断を含んだ「タイラズメソッド」と呼ばれる「無薬根本療法」を確立させる。このメソッドは多くの患者さんだけでなく医療関係者からも支持を得て、現在は一般外来の他、医療従事者を対象にしたドクターズセミナーにも力を入れている。

まずはクリニックのコンセプトと主に行っている
治療内容について教えてください。

一番のコンセプトは「患者さんが求める医療ではなく、患者さんのためになる医療をする」ということです。例えば患者さんがビタミンC点滴をしたいと来院しても、それがその方にとって本当に必要かどうかはこちらで判断させていただきます。我々は特殊な予防医療の手法を持っていますが、その方にとって最善の治療メニューを組み、納得していただいたうえでスタートしていただくことを大切にしているからです。その方に必要な医療の中にはもちろん予防医療も入りますし、その奥には治療医療も控えています。そしてそのためには一人ひとりと深く関わることが大前提です。

特殊な予防医療とは具体的にどんなものなのでしょう。
お話しいただけますか?

「タイラズメソッド」といわれるいくつかの手法で、例えば代謝栄養療法があります。分子整合栄養医学と近いですが、分子レベルあるいは細胞レベルの代謝を診断し、その代謝を是正する手法です。いわゆる「無薬根本療法」で、できるだけ薬を使わずに食やサプリメント、ビタミンやミネラルの点滴、ライフスタイルの改善などで病態に対し根本的に改善を促します。

診断技術も特殊です。「深読み」と言っていますが、一般的な健康診断や人間ドックで「異常なし」と言われた人でも、我々の診断では異常だらけのことがあります。これは検査の手法、結果の見方が異なるからで、我々の診断では数年先の発がんリスクも見つけることができます。遠隔サプリメント外来では、ご自宅で検査キットを使ってデータを送付いただき、こちらで「深読み」した後、必要なサプリメント等のアドバイスをさせていただいています。

代謝の是正が治療になるということですが
代謝は病気の発症や治療に関係しているのですか?

健康に関わる代謝のなかで重要なのはミトコンドリアの代謝です。ミトコンドリアの代謝によって最終的にATPという物質ができますが、ATPは単なるエネルギー物質でないことがわかっています。例えば不眠は一般的にメラトニン不足といわれますが、実はATPが不足しているためメラトニンが合成されないのです。これは一例に過ぎませんが、ミトコンドリアの代謝機能の異常を見つけ出し是正することはあらゆる病気の根本治療になるのです。代謝を栄養素で動かすことも、遺伝子を栄養素で動かすことも可能です。例えばメチレーションという代謝がありますが、これが回らないと各種精神疾患が発症します。我々はメチレーション代謝を活性させる酵素あるいは抑制させる酵素を把握していますからそれをサプリメントとして使用することもできます。実はメチレーションの異常はがんにもつながります。がんも精神疾患も根本では隣り合わせなのです。

予防医療は自由診療ですが、自由診療のニーズは増えているのでしょうか?

当院は完全自由診療ですが、毎週新患の方が来院されますし、東京だけでなく遠方、最近ですとアメリカからいらっしゃる方もいるので増えているように感じます。もちろんリトリート的に沖縄にくる人もいらっしゃいますが。

私は以前循環器内科医として生死に関わる仕事をしていました。しかし急患を治療して無事に返しても、また救急車で運ばれてくることがあり、家庭の食事やライフスタイルを見直さなければ根本治療にならないことを痛感していました。自由診療では保険診療が苦手とする食事、ライフスタイル、サプリメント、点滴などを行い病気のフロントからエンドまで幅広く改善できるメリットがあります。病気を診断された方のなかには自分でいろいろなことを勉強される方もいますし、そうでない方もいます。そして勉強されている方を我々は「患者力の高い方」と呼んでいますが、当院に来られる方のほとんどが患者力の高い方です。こういった方は治療効果も非常に早く高く出ます。

最後に読者へメッセージをお願いします。

予防医療と治療医療は別ものではありません。アンチエイジングとがんの統合治療は実は一緒なのです。これは細胞の代謝を見ていくとわかります。例えばビタミンCは美容やアンチエイジングに効果のある成分ですが、大量のビタミンCを点滴すればがん治療になります。アンチエイジングのメソッドががん治療になり得るのです。私は治療医療を極めていく過程でそれが予防医療になることに気づきました。そしてどちらが医療費の抑制になるかといえば、やはり予防医療なのです。皆さんが簡単にできる日々の予防医療やアンチエイジングはやはり睡眠と食事です。そしてもう一つ、人間ドックや健康診断で異常がないといわれてもそのデータを深読みできる先生を探し、未病といわれる段階から隠れた病気を発見する超早期発見してほしいと思います。

基本情報


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