オリゴ乳酸と妊活

卵子や精子の老化とはミトコンドリアの数が減少していることと関係

私たちのすべての細胞に存在し、エネルギーを作り出しているのが「ミトコンドリア」です。学生時代によく名前を聞いたことがあるかと思いますが、このミトコンドリアは食事などから摂取した栄養素と呼吸から取り込んだ酸素を細胞内に取り込み、エネルギーATPを作ります。

またこのミトコンドリアの作業をサポートしているのが、コエンザイムQ10。当然コエンザイムQ10が減少すれば、ミトコンドリアで生産させるエネルギーの量も減少するため、疲労、息切れといった症状が出やすくなるほか、様々な老化現象が生じます。ちなみにミトコンドリア内ではエネルギーを生み出すときに活性酸素も発生しますが、この活性酸素を無毒化するのもコエンザイムQ10です。

コエンザイムQ10は食事からはほとんど摂取することができず、加齢とともに減少します。特に40代から著しく減少することが分かっており、アンチエイジング系のサプリメントの代表としてコエンザイムQ10が人気なのはこのためです。ちなみに卵子や精子の細胞にもミトコンドリアは多数存在していますが、やはり加齢とともにその数や機能は減少・低下してしまいます。ミトコンドリアが多数存在している卵子や精子は質が良く、ミトコンドリアの数の少ない卵子や精子は老化が進んでいると言い換えられるでしょう。

卵子そのものの数は加齢とともに減少し、その数を増やすことは現代の医学や科学ではできません。しかし一つ一つの卵子や精子の質を上げるため、卵子や精子の中のミトコンドリアを活性させることは可能です。つまり卵子や精子の細胞内のミトコンドリアを活性させるような生活や食事をし、補酵素であるコエンザイムQ10を補うような食事をすれば良いということになります。

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卵子や精子の質を向上させるために必要な栄養素とは?

現在、コエンザイムQ10のサプリメントは多数販売されており、妊活サプリメントの多くにもコエンザイムQ10が含まれています。しかし「ミトコンドリア機能を活性させる」ことを謳った機能性素材は見かけません。これまでオリゴ乳酸[LAC]には腸内環境を改善したり、メタボリックシンドロームを予防したりする機能があることが報告されてきましたが、それらの研究を行ううちにミトコンドリアを活性する機能もあるのではないか、と考えられるようになってきました。

実際オリゴ乳酸[LAC]がミトコンドリアを活性するかどうかを調べるために、55~65歳の健康な日本人男性(BMI23以上30未満)の20人の男性を対象に、二重盲検並行群間比較試験を行いました。試験に参加した20名のうち半分の10名をランダムに抽出し、1日300mgnオリゴ乳酸[LAC]を摂取してもらい、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月後の血中のコエンザイムQ10(ユビキノン)及びコエンザイムQ10の前駆体であるCOQH(ユビキノール)のトータル量の変化を調査したところ、摂取1ヶ月でオリゴ乳酸[LAC]摂取群は血中のコエンザイムQ10やCOQHの量が顕著に増加し、また2ヶ月、3ヶ月と摂取期間が長期化するほどにその濃度が増加したことが報告されました。

これらの臨床試験を重ねた結果、現在オリゴ乳酸[LAC]は「ミトコンドリア機能の亢進」「酸化ストレス度の低減」「抗老化作用」で特許出願に踏み切っています。

ミトコンドリア機能が亢進することによる嬉しい作用

他にもミトコンドリア機能が亢進すれば、細胞で生産されるエネルギー量が増えるため「疲労がスムーズに解消される」「代謝が上がり太りにくくなる」「エネルギーが溢れ疲れにくくなる」といったいくつもの嬉しい作用が期待できます。40代にもなると「疲れやすい」「疲れが取れない」「痩せにくい」「風邪をひきやすい」といった不調が増え、それが全て「加齢によるもの」と考えられがちですが、私たちの体を作る細胞一つ一つの元気が無くなっていることが原因とも言い換えられます。

そしてこの細胞の健康状態を左右するのがミトコンドリアの活性ですから、ミトコンドリアを元気に(亢進)させることが大切なのです。ミトコンドリアが活性すれば、食事から摂取する脂質・糖質からのエネルギーの産生が増加し、エネルギーが十分に作られて体の隅々に行き渡るだけでなく、脂肪が燃焼されスリムな体の維持にも役立ちます。ミトコンドリアを増やす、あるいは減らさないためには、適度な運動や腹八分目の食事、規則正しい食事なども非常に大切ですが、ミトコンドリアの機能をサポートするコエンザイムQ10やCOQHを増やすオリゴ乳酸[LAC]を摂取することも有効です。特にコエンザイムQ10は年齢とともにどうしても減少してしまうので、サプリメントなどから必要な栄養素を補うことも大切です。

赤ちゃんを授かりたい人は特にミトコンドリアの状態について考えてみましょう。健康な卵子や精子が必要ですが、健康な卵子や精子とはそれぞれの細胞の中でミトコンドリアが活発な状態にあることを指しているのです。

profile

医学・薬学博士 田口茂 先生

東京薬科大学大学院修了(薬学博士)後、聖マリアンナ医科大学に入職。東京医科大学(医学博士)に研究移籍し、生活習慣病や現代病のアレルギー症状の改善に取り組む。対症療法主流の医療現場では治せない病気もあるため、医薬品や食品素材の研究へ進む。改善効果が見られない症状に対し、無効になった医薬品に機能性素材を加えたヒト試験で医薬品支援効果を多数確認し特許取得(国際1件、国内10件:㈲カンズ研究開発)。約10年前にオリゴ乳酸【(株)GLART】と出会う。医薬品服用は腸管免疫を激減させるが、医薬品支援効果の食材にオリゴ乳酸を加えることで改善効果が増強することを確認。現在、財団法人 日本科学振興財団 評議員、医療法人社団 和会 渋谷コアクリニック 主席研究員 や 八九十(はくと)会 高尾病院 顧問を務める。

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