DHAは記憶力や学習力に関係の深い成分!!
DHAは、脳内に一定量存在し、主に海馬という組織に多く含まれています。海馬は脳内において、記憶力や学習力を支配している重要な組織です。まだ研究段階ですが、海馬のDHA量が、IQや学習能力、認知症に関係することが示唆されています。アルツハイマー性の認知症の患者さんを調べてみると、海馬のDHA量が少ないことが多く、認知症の治療や予防の成分としてもDHAは注目されています。
2002年には日本神経学会が、「アルツハイマー型認知症予防に魚食を勧める診療指針」と認知症の治療ガイドラインを作成しました。学習能力をみる実験では、DHAを投与した群で学習能力に優れているという結果がはっきりと現れており、DHAの海馬での作用は非常に重要なものであろうことが予想されます。まだDHAの神経や脳に対するはっきりとした作用などの根拠は明らかになっていないため、記憶力、学習能力を高めると断言はできない段階ですが、近い将来、さらに明らかになると期待されています。
脳、神経系での効果は様々!!
生体内で、DHAはプロスタグランジンというホルモンに似た化合物の成分となります。プロスタグランジンは、脳や神経細胞をコントロールする働きがあり、生体機能の調節を行ったり、血流を促進する効果や、ホルモンバランス、体調を整えたりする効果などもあります。脳からの指令で生体は支配されているため、脳内で重要な役割を担うDHAは常に不足させたくない成分として注目されています。
また、国民健康栄養研究所の報告によると、記憶力、学習能力以外の神経系でのDHAの有効性は以下のようなものが挙げられています。
- ストレスを受けている人の攻撃的な行動の抑制
- 統合運動障害の小児における運動障害の改善
DHAは、多くの実験や研究が進められており、効果の解明が期待されています。