青魚とともに抗酸化作用のあるビタミンを
摂りましょう!!
DHAが豊富な食品は、イワシ、サバ、アユ、ブリ、サンマなどの青魚です。青魚の油の成分に、DHAとEPAがたっぷりと含まれています。多価不飽和脂肪酸は、構造上、非常に酸素と反応(酸化)しやすく、壊れやすい性質をもっています。「酸化=劣化」なので、DHAはとても劣化しやすい油です。焼魚は油成分が酸化したり、流れ出てしまって含量が低下したりしやすいため、青魚は刺身や煮物で食べると効率よく摂取することができます。
より効率よくDHAを摂取するために、ビタミンCやビタミンE、ビタミンAを多く含む野菜や果物をいっしょに摂取することをお勧めします。これらのビタミンは抗酸化作用があり、脂肪酸が酸化するのを防ぐ効果があります。また、魚の鮮度も重要です。時間がたっている魚は酸化がすすみ、栄養価も下がっています。魚を選ぶときは、以下の3つに注目すると良いでしょう。
- 目が澄んでいるものを
選ぶ - 色やつやが良いものを
選ぶ - 体にハリがあり、うろこのついているものを選ぶ
旬の魚は、油が多く、栄養価が高いので、季節に合わせて選んでみるのもとても良いです。DHAは、脂に含まれているので、旬の時期の脂ののったものがお勧めです。魚が苦手な方や、生活習慣病予防のため積極的にDHAやEPAを摂取したい方は、サプリメントを利用することをお勧めします。
脂肪酸はバランスよく摂取することが大切!!
脂肪酸には、DHAを含む多価不飽和脂肪酸以外にも、飽和脂肪酸と、一価不飽和脂肪酸という分類があります。飽和脂肪酸を多く含む主な食品は、牛肉、豚肉、鶏肉です。魚油は常温でも液体ですが、豚や牛の油は常温で固体となっています。これは、脂身といわれる白い部分を思い出していただくとよくわかると思います。飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪を上げたり、コレステロールを上げたりする作用があり、摂取しすぎると生活習慣病につながります。
一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルやサフラワー油などに多く含まれており、生体内では悪玉コレステロールを下げる効果があります。その効果は不飽和脂肪酸の方が高いのですが、一価不飽和脂肪酸は酸化されにくいため、効果を期待できるという点で注目されています。厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、「飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸=3:4:3」の割合で摂取することを目標としています。肉類ばかりではなく、週に2~3回は魚を取り入れたり、ドレッシングをオリーブオイルで手作りしたりなど、脂肪酸のバランスを考えることが、生活習慣病の予防につながります。