あわや内科・循環器内科院長 粟屋 透先生

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「病気も薬もコストがかかる」この意識を持つことが大切

あわや内科・循環器内科 粟屋 透先生

経歴

1997年、聖マリアンナ医科大学大学院卒業。2012年7月、横浜市旭区に「あわや内科・循環器内科」開院。心臓病の検査や治療、高血圧をはじめとする生活習慣病治療及びその予防を行っている。未病の段階でのサプリメントのアドバイスや代替医療による症状の緩和、メタボリックシンドローム改善のための運動指導などにも定評がある。

インタビュー

地域の「かかりつけ医」として日々多くの患者さんから相談を受けている粟屋先生。高血圧や心疾患関連の悩みを中心にいわゆる生活習慣病の相談が多いというが、漫然と内服薬を処方するだけでなく、家族の既往歴、本人の食事や生活習慣、嗜好品などを細かくカウンセリングしながらテーラーメイドの処方をしてくれる心強い医師だ。

クリニックにはどんな患者さんが多く来られますか?
またその方々にはどんな特徴があるのでしょうか?

さまざまな世代の患者さんがいらっしゃいますが、特に高齢者の方の来院が多く、その方々は高血圧や動脈硬化などをすでにお持ちの方が多いです。このような状況で気づくことは、健康診断を定期的に受診していない人は病気が進行しているケースが多いということです。もちろん健康診断には賛否両論ありますが、病気というものは一般的に急になるものではありません。昨日まで血圧の上の値が120であった人が今日は180ということは考えられず、間に130、140の時があったはずです。その時に何をするか、誰に何をアドバイスしてもらえるかが大切です。

病気になるまでの過程を知るために
やはり健康診断は大事ということでしょうか?

健康診断の受診率には地域性があります。以前は多摩地区にいましたが、そこでは受診率が約7割に達していました。しかし旭区の受診率は約3割程度に過ぎません。高血圧等の基準値の議論や、メタボリックシンドロームのウエスト数値の議論が続いていますが、それは健康診断を何のためにしているのか根本的な理解がされていないからだといえます。

検査上の数値に左右されたり一喜一憂する必要はありません。内臓脂肪が多い人は動脈硬化になりやすいことを頭に入れ、定期的に内臓脂肪の量を知ること、経年比較をすることで動脈硬化が進行していないかを知るために活かしてほしいのです。ウエストの数値ではなく動脈硬化の進行や過程を見るということです。もちろん医師側もその説明を十分にする必要があります。

健康診断には数値や結果以上の意味があるのですね。

健康診断は受診して終わりではありません。血圧・ウエストなどの数値に問題がないからといって終わりにせず、有効活用する必要があります。例えば糖尿病であれば、数値で明確に診断できる5年程前には何らかの予兆が出ているものです。医師として診なければいけないのはそこだと思っています。「動脈硬化や糖尿病でないから良い」ではなく今後このままでは病気になる可能性がありますよ、という部分を診る必要がありますし、それが予防医療・未病医療です。またこの段階であれば薬が不要な場合も多いのでサプリメントのアドバイスもできます。

先生はサプリメントアドバイザーの資格もお持ちですがニーズを感じますか?

サプリメントの理解にも地域性があると感じます。保守的な地域では医療保険でできることだけで十分という方が多くいるように感じますし、サプリメントに否定的という地域もあります。

横浜は住民の入れ替わりが多く多様性があるので、比較的サプリメントが受け入れられやすい地域です。必要としている方には食物繊維やアスタキサンチン、ピクノジェノールなどサプリメントをアドバイスすることもありますが、現状ではおすすめするよりサプリメントとの付き合い方や方向性を正してあげるレベルですね。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

病気も薬も本来コストがかかるものだということを、一人ひとりが理解する必要があります。国民皆保険があるといっても、やはりコストがかかるものなのです。この意識がないと予防に力が入りません。処方された薬を漫然と飲み続けるのも問題です。例えば高血圧の薬は季節によって変えられますし、生活習慣を改善するだけで薬の量を減らせる可能性も十分にあります。もちろんサプリメントの使用で薬の量を減らせた事例もあります。かかりつけ医と率直に相談しながら予防や治療に取り組める人はラッキーですが、そのような医師と出会えるのは運もあります。気になることに納得できるまできちんと応えてくれる医師とは相性が良いでしょうし、そのような医師と出会う努力をすることも大切です。

基本情報

  • 所属あわや内科・循環器内科
  • 所在地神奈川県横浜市旭区本村町101-3
  • 最寄り駅二俣川
  • TEL045-360-0322
  • ホームページhttp://www.awaya-naika.jp/