渋谷DSクリニック 井上 和恵先生

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自分に合った漢方は美と健康をもたらす

渋谷DSクリニック 井上 和恵先生

経歴

広島大学医学部総合薬学科卒業後、大学の研究室で脳神経研究及び漢方薬の薬理作用の研究を行い、学会発表を続ける中で、ストレスの多い現代人の不調の原因に注目。東洋医学と西洋医学を融合させた独自の理論を完成させ、それに基づく漢方カウンセリングも提唱。ストレスフルな著名人やマスコミ関係者などからも熱い信頼が寄せられている。

インタビュー

漢方と出合った頃は、先生自身がその効果に半信半疑であったという。しかし研究を続けるうちにその素晴らしい作用に魅了され、いまでは漢方で多くの人を助けたいという強い想いに溢れているそうだ。漢方の効果とは曖昧なものではなく、メカニズムが明確であることも教えてくれた。漢方を始めてみたいという人は、一度先生に相談してみてほしい。

先生の勤務されているクリニックでは
漢方はどんな役割を担っているのでしょうか?

当院は医療ダイエット専門のクリニックです。そのため減量という目的をサポートするために漢方を利用しますが、それだけではありません。減量には弊害もあります。特に肥満とはいえない体型の方が誤った減量をすると、肌トラブル・生理不順・免疫力の低下・筋肉量の低下・代謝の低下・冷え・精神的なイライラなどトラブルが起こりやすいのです。しかし漢方を利用すればそのようなトラブルはすべて回避できます。さまざまな不調を抱えている方が当院で医療ダイエットを始めることによって、減量効果だけでなく不調も解消されるというケースがほとんどです。

先生は元々大学でご活躍されていましたが
どのようなきっかけで漢方薬剤師になられたのですか?

今から20年くらい前は、多くの病気の原因、あるいは病気が良くならない原因が「ストレス」にあるという今では当たり前の事実がまだほとんど知られていませんでした。私は脳の研究をしていましたので、そのことを早くから訴えていました。西洋医学の薬でストレスを感じにくくすることはできますが、問題は仕事や生活の効率まで低下するということでした。

そこで西洋の薬に代わるものとして漢方薬を研究するようになったのです。はじめは動物実験でしたが、素晴らしい効果が多く得られ、私自身が驚く程でした。また、それまで漢方でなぜ効果を得られるのかも曖昧でしたが、研究を重ねるにつれ非常に理論的であることに驚きました。その一方で昔ながらの漢方薬の処方は現代人には適切ではないということにも気づいたのです。

それは知りませんでした。現代人には現代人の漢方があるのですか?

保険適用の漢方では「この病気に対してはこの漢方」と決まっています。漢方薬は病名が同じでも個人の体質や性格、環境によって処方する必要があるため、病名に対して保険で処方された漢方薬が必ずしもその人に合うとは限らないのです。例えば肝臓が悪い人に対し一般的には「小柴胡湯」が処方されますが、冷えの強い現代人が長期服用することは肺炎や他の重篤な症状を引き起こす原因にもなりかねません。確かに古来中国でも肝臓の病気に使用されていましたが、それは状態が悪化し黄疸や高熱などに陥った場合に、ほんの数日使用するだけでした。

昔の人と現代人では体質も違うから、漢方の処方も変わるということですね。

その通りです。苛酷な環境で生きなければならかった4,000年も前の時代は、身体の冷えやすい体質に生まれた人は赤ちゃんや子供のうちに亡くなっていたため、大人の多くは身体に熱を産生しやすい体質でした。現代人のような「冷え症」の大人はほとんどいなかったということです。また、肉体労働が主流の時代と頭脳労働が主流の時代では何もかも違います。

当時は感染症等が主流で体質的にも高熱などの症状が出やすく「体を冷やす処方」と、命が弱りかけている人に「強心剤の役割を果たす処方」が多く用いられました。しかし頭脳労働をしている現代人の多くは冷えているため冷やす処方は不適切ですし、交感神経優位で血管が収縮している人に強心作用のあるものを使用するのも不適切です。

漢方を利用するにはどのようなことに気をつければよいでしょう?

自分に合っている漢方であれば必ず素晴らしい効果が得られます。「漢方は合わない」「苦手」「効果がない」と感じる方は、個人に適した漢方を処方されていない可能性が高いので、漢方だからと曖昧にせず、効果の感じられる漢方と出会っていただきたいです。他にも日常生活で気をつけてほしいことが2つあります。1つはお肉を避けないでほしいということ。もちろん霜降りのお肉の食べ過ぎはよくありませんが、赤身のお肉は体やホルモンの大切な材料です。もう1つが水毒に気をつけてほしいということ。大量にお水を飲む健康法がありますが、不感蒸泄の少ない日本人には不適切です。体に余分な水が溜まり排泄されないと冷えやむくみだけでなく心臓に負担をかけて不安感の原因にもなります。

基本情報


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  • 所属渋谷DSクリニック
  • 所在地東京都渋谷区渋谷3-11-2 パインビル1階
  • 最寄り駅渋谷駅
  • TEL03-5464-7272
  • ホームページhttp://www.dsclinic.jp/